保健師からひとこと
- 2023年11月掲載(はかるとわかる 適正体重のすすめ)
- 2023年9月掲載(防災について意識しよう!)
- 2023年7月掲載(フレイル予防 -できることからはじめてみませんか-)
- 2023年5月掲載(こころの健康を保つには)
- 2023年3月掲載(結核は過去の病気ではありません)
- 2023年1月掲載(冬にかかりやすい感染性胃腸炎)
- 2022年11月掲載(がん検診を受けましょう)
- 2022年7月掲載(子どもの発熱とホームケア)
- 2022年5月掲載(高齢者の熱中症予防)
- 2021年11月掲載(ピロリ菌の検査がはじまりました)
- 2021年9月掲載(子どもとストレス -みんなで乗り越えよう、コロナのストレス-)
- 2021年7月掲載(夏に起こりやすい子供の感染症とその対策や予防)
- 2021年5月掲載(今、この時だから… 禁煙に成功して健康生活を!)
2023年11月
はかるとわかる 適正体重のすすめ
皆さんにとって、秋といえばどんな秋ですか。食欲の秋、読書の秋、秋は気候が良いため、色々なことをするのに適した季節ですね。今年は、運動の秋とともに、ご自身の健康について考えてみるのはいかがでしょうか。
さて最近体重を計っていますか。体重は健康の大切な指標です。
体重と身長から体格を確認しましょう。
体格指数(BMI)とは身長からみた体重の程度を示す指標で、「Body Mass Index」の略です。以下にBMIの計算方法と健康的な範囲を示します。
体重の測定
BMI(kg/㎡)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算します。
例:身長160cm、体重60kgのBMIは23.4
60(kg)÷1.6(m)÷1.6(m)=23.4(kg/㎡)
<年齢別にみた健康的なBMIの範囲>
- 18から49歳
- 18.5から24.9
- 50から64歳
- 20.0から24.9
- 65歳以上
- 21.5から24.9
- 範囲内
- 標準的。これからも健康的に体重を保ってください。
- 範囲より低い
- やせ傾向。筋力・体力・感染症に対する抵抗力が低下しやすい状態です。低栄養の改善、適度な身体活動が必要です。
- 範囲より高い
- 肥満傾向。血圧・血糖・脂質等の異常が起きやすい状態です。
メタボを指摘されている人は減量を。
また、BMIは体格の指標ですが栄養状態をみる目安としても利用できます。
体重は食事などから取るエネルギーと身体活動(運動など)で使うエネルギーとのバランスのあらわれ(結果)です。
適正体重を目指して体重を減らしたい人は
- 3から6か月で現体重の3%程度を減らすと内臓脂肪が減り、血圧、血糖、脂質の改善が期待できます。
- 食事で減らす目安は1食について約80kcal程度(からあげ1個分)に。
ごはんでもおかずでもよいですが、大きめの一口分を減らすイメージで。 - 食事の見直しに加えて運動も行うと、減量に伴う筋肉減少を防げます。
適正体重を目指して体重を増やしたい人は
- 筋肉量を増やすことも大切です。
食事で筋肉や骨のもとになるたんぱく質やカルシウムをしっかりとり、運動習慣を身につけましょう。 - 歯や口のトラブルはすみやかに歯科に受診しましょう。
しっかり噛めないと食が細くなり、栄養も偏りやすいものです。
定期的に体重をはかり、生活習慣を改善しましょう!
食事と運動のバランス
2023年9月
防災について意識しよう!
防災について意識しよう!
9月は「防災月間」です。9月1日は1923年に関東大震災が起こった日であり、台風や大雨などの災害が多い時期であるためです。日ごろから意識している方も、何も準備してないという方も今一度“防災”について考える機会を設けてみませんか。なかなか考える機会が少ない子育て中の方々も防災について家族で相談していただけたらと思います。
住んでいる場所の災害リスクや避難場所の確認
各世帯に配られているハザードマップをみて、洪水や地震が起きた際の被害想定を確認しておきましょう。また、避難ガイドをもとに指定緊急避難場所や指定避難所の場所を家族で共有しておくことも大切です。避難所生活についても調べておくとイメージが持てます。
ハザードマップや避難ガイドは、名古屋市ウェブサイトで検索できます。
名古屋市防災アプリでは、避難所や帰宅支援ステーション等を確認することができます。
暮らしに合わせた“備え”について
常時家に置いておく備蓄用の食品は、1週間分を目安に用意しておくことをおすすめします。
※水は、1日1人3リットルが目安です。
- 乳幼児のいる家庭
- 授乳中の方は、透けないポンチョを入れておくと授乳ケープ代わりになります。またミルクをあげる際には紙コップの活用ができます。(毎度哺乳瓶の消毒ができるとは限りません。)
離乳食の備えとしてベビーフードを買っておくことも良いでしょう。 - 子どものいる家庭
- 食べなれたお菓子やおもちゃを用意しておく等ストレスをためない工夫をしておきましょう。
くらして、そなえて。なごやBosaiブックについて
ご紹介した内容は下記ウェブサイトでご確認いただけます。女性の目線に寄り添った防災の備えをご提案しています。
くらして、そなえて。なごやBosaiブックについて(外部リンク)
2023年7月
フレイル予防 -できることからはじめてみませんか-
フレイルってなに?
加齢によって気力、体力が徐々に落ち、介護が必要な一歩手前の状態のことです。
でも大丈夫!早めに気づいて対策することで健康な状態に戻ることが期待できます。
フレイル3つの要素
- 社会的フレイル
- ・閉じこもり
- ・社会的交流減少
- 身体的フレイル
- ・筋力低下
- ・口腔機能低下
- ・低栄養
- 精神的フレイル
- ・認知機能低下
- ・うつ
フレイルのイメージ図
フレイル予防3つのポイント
それぞれ影響しあうため、バランスよく取り組みましょう
- 動く
- ・こまめに動こう
- ・筋力を維持しよう
- 食べる
- ・タンパク質も意識してバランスよく食べよう
- ・歯科検診を受けよう
- つながる
- ・家族や友人と交流しよう
- ・外出や趣味を楽しもう
地域の高齢者サロンや健康教室などに参加してフレイル予防のヒントを見つけてみてはいかがでしょうか
2023年5月
こころの健康を保つには
進学や就職、転勤や異動とそれに伴う引越しなど、春は誰も生活環境が変わる季節。
期待や不安が心身を緊張させ、知らぬ間にストレスや疲れが高まっている人も多いのでは?
こころの健康を保つには、ストレスと上手に付き合うことが大切です。
そもそもストレスとは?
何らかの外的刺激を受けることで生じる緊張状態をさします。
- 環境要因
- 天候の変化や騒音など
- 身体的要因
- 病気や睡眠不足など
- 心理的要因
- 不安や悩みなど
- 社会的要因
- 人間関係の悩み、仕事や学業で多忙など
ストレス反応に気づく
ストレスがかかると、それを元に戻そうとするため、ストレス反応が現れます。このサインを見逃さず、長く続かないように気を付けることが、心の健康を維持するために重要です。
眠れない、お腹が痛い、イライラする、お酒の増加など、人によってサインもいろいろです。自分のサインを知り、気づけるようになると、休息をとるなどのセルフケアを早めにとることができます。
ストレス耐性を高めよう!
- 質の良い睡眠をとる
起床や就寝の時間を一定にしたり、寝る前はゆっくりお風呂に入ったりして、 リラックスできるようにしてみましょう。 - 全力で頑張りすぎず、定期的に休みを取る
- 人とのつながりをもつ
友人、家族、趣味やボランティア仲間など、日頃から気軽に話せる人を増やし、コミュニケーションをとりましょう。 - バランスの良い食事を規則正しくとる
1日3回、特に朝食を抜かずに食べること、お酒は適量を楽しむこと、主食・主菜・副菜がそろったバランスの良い食事をとることを心がけましょう。 - 適度な運動を習慣にする
ウォーキング、サイクリングなどの有酸素運動、筋トレ・ストレッチなどもおすすめです。 - 自分の性格や考え方の癖を知っておく
物事の受け止め方は、その人の性格や考え方のクセに大きく左右されます。性格は簡単に変えることはできませんが、自分の特徴を知っていれば、行動を見直したり、考え方を修正したりすることができ、ストレスに強くなれます。
適度のストレスは誰にもあり、人の健康維持に欠かせないともいわれます。
でも心の状態がいつものように治らない時、辛い時には、一人で抱え込まず、精神科など専門医等に早めに相談しましょう。
2023年3月
結核は過去の病気ではありません
明治時代から昭和20年代まで国民病と恐れられ大流行した感染症である「結核」ですが、令和3年の日本では1日あたり約30人の患者が発生しています。
また、り患率(人口10万人あたりに新たに発生した患者数)は日本全国の平均が9.2なのに対し、名古屋市は14.4と高くなっています。
現在徐々に発生患者数は減っていますが、まだまだ怖い病気です。なかでも患者の約7割は65歳以上の高齢者が占めています。(令和3年結核登録者情報システムより)
結核新登録患者数 | り患率 | 喀痰塗抹陽性患者数 | |
---|---|---|---|
全国 | 11,519 | 9.2 | 4,217 |
名古屋市 | 336 | 14.4 | 119 |
高齢者の結核
結核の主症状は咳、痰、微熱、体のだるさですが、高齢者は症状が現れにくく気づかないうちに進行してしまうことがあります。知らず知らずのうちに、他の人に感染させてしまうことも…
若い頃は免疫力>結核菌
↓
高齢になると免疫低下や他の病気で抵抗力が落ちる
↓
眠っていた菌が活動を始める
「いつもと違う」を大切に
- 全体の印象…なんとなく元気がない、活気がない
- 全身症状…微熱、体重減少、食欲がない、全身のだるさ
- 呼吸器の症状…咳、痰、胸の痛み、呼吸が苦しい
※『いつもと違う』に気づいたら呼吸器等を専門とする医療機関を受診しましょう。
免疫力を高め発病を抑えましょう!
- バランスのよい食事
- 質の良い睡眠
- 適度な運動を継続して行う
- 禁煙し、アルコールはほどほどに
- 65歳以上の方は結核健診の受診義務があります。年に1回胸部エックス線検査を受けましょう。(「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(平成10年法律第114号施行第53条の3))
肺がん・結核検診を受けましょう
対象 | 40歳以上の市民の方 (本年度中に40歳に達する方を含む) |
---|---|
検診内容 | 問診、胸部エックス線検査等 |
検診場所 | 市内の協力医療機関 (詳しくは名古屋市ホームページをご覧ください。) |
自己負担金 | 500円 |
2023年1月
冬にかかりやすい感染性胃腸炎
子どもの胃腸炎で一番多いのが「ウイルス性胃腸炎」です。
ロタウイルス・ノロウイルスなどは、感染力が強く、子どもたちの間や家族間で感染が広がりやすいです。
主な症状としては嘔吐・下痢・発熱があります。
1.自宅でのケアのポイント
- 胃腸炎の症状が有るときは水分補給をさせて安静に寝かせましょう。
- 下痢の時は湯冷まし、経口補水液、子ども用イオン飲料など水分補給が大切。
食事は油分が少なく消化に良い、野菜スープ、おかゆ、うどんなどをあげましょう。 - 嘔吐がある時は、水分をたくさん飲むと水分が刺激となり再び嘔吐を繰り返してしまいます。
経口補水液、子ども用イオン飲料5mlを5分おきに飲ませましょう。ティースプーン1杯、ペットボトルのキャップ1杯程度の量が5mlの目安です。 - 水分がとれない場合は早急に病院を受診しましょう。
2.家族内で胃腸炎を広げない3つのポイント
1)手洗いと換気
- 嘔吐物や便を片付けた時などに手についたウイルスが口から体の中に入ることで、ウイルスに感染します。おむつ交換後や嘔吐物を片付けた 時は必ず手洗いしましょう。
- 室内に漂ったウイルスが停滞しないように、換気することが大切です。
換気のポイントは風の通り道(入口と出口)を作ることです。
2)嘔吐物・便の片付け方
- 嘔吐物・便には大量のウイルスが含まれています。直接触らない・吸い込まないために、使い捨て手袋・マスクを着用して片付けてください。片付けた後の汚物類はビニール袋に入れ、口を閉じて処分します。
- 汚れをふき取るだけではウイルスは死滅していません。乾燥して空気中に漂ったウイルスを吸い込むことで感染します。消毒用アルコールでは効果的な消毒はできないため、床などを消毒する場合は、塩素系の消毒液や塩素系漂白剤を使用します。
3)汚れた衣類の洗濯方法
- 嘔吐物や便を取り除き、塩素系漂白剤に30から60分間浸します。色落ちが心配なものには、85℃以上の熱湯に1分間以上浸すとよいでしょう。
- 洗濯するのが難しいカーペット、ソファ、布団などは、スチームアイロンや布団乾燥機を使用すると効果的です。
消毒液の作り方については、動画でも公開されていますので、ご覧ください。
2022年11月
がん検診を受けましょう
『がん』は早期発見・早期治療によって亡くなる確率を下げることができます。早期であれば治せる可能性は高く、治療費も軽く済むことが多いです。
また、検診は一度受けたら安心というわけでなく、定期的に受診することが大切です。
★詳しい情報は「がん検診ガイド」(外部リンク)をご覧ください★
【名古屋市のがん検診受診率】
生活の中でがん予防のためにできること
国立がん研究センターをはじめとする研究グループの研究結果から日本人が『がん』を予防するために「日本人のためのがん予防法」を定めています。
その中でも生活の中で取り組むことができる健康習慣は、
- ①禁煙
- タバコを吸わないようにしましょう
他の方のタバコの煙を避けるようにしましょう - ②節酒
- 飲酒量の目安は日本酒1合、ビール大瓶1本、ウイスキーダブル1杯程度
- ③食生活
- 『野菜・果物を食べる』『熱過ぎるものは避ける』
『塩分控えめ』の3点に気を付けるとよいでしょう - ④身体活動
- 毎日60分のウォーキングがおすすめ
- ⑤適正体重の維持
- 痩せすぎ・太りすぎに注意!
(中高年男性BMI 21から27、中高年女性BMI 21から25)
※BMI=体重(kg)/身長(m)の二乗
の5つです。
いつもの生活に取り入れてみましょう。
イラストの出典:国立がん研究センター社会と健康研究センター予防研究グループ
科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究
参考資料:国立がん研究センター がん情報サービス・一般の方向けサイト
「科学的根拠に基づくがん予防(外部リンク)」より抜粋引用
2022年7月
子どもの発熱とホームケア
子どもの発熱は冬に多い印象がありますが、夏場でも案外みられます。今回は発熱時のホームケアについてお知らせします。
-熱が出たときの観察チェック-
- これはできるかな? まずはチェック!子どものようす
- □食べる
- □眠る
- □遊ぶ
- 子どもをみよう!
- □他の症状(せき、おう吐、下痢、発疹 など)
- □水分がとれているかどうか
- □顔色
- □本人の言葉
- □抱きつく力 等
発熱した時の基本的な対応
熱があっても元気で機嫌も良く水分もとれ、睡眠が保たれていれば、慌てずに24時間以内の受診で大丈夫です。しかし、下記のような場合は早めに病院を受診してください。
このような時は早めに受診を!
- ぐったりしていて、元気がない、または非常に機嫌が悪い
- けいれんがある
- 苦しそうな呼吸(呼吸の回数が早い、顔色が悪い、ヒューヒューしている)
- 生後4か月未満で38.5℃以上の発熱
- 嘔吐を繰り返し、水分がとれない
- 強い頭痛や腹痛がある
機嫌は悪くないか、他にも症状があるか無いか(鼻水や咳など)などをみてあげましょう。熱が長引く時は熱の経過をメモしておきましょう。
どうしても判断に困る時は、相談しましょう。小児救急電話相談【♯8000】
水分補給や食事のポイント
- 1.水分補給が第一!
- 人は汗をかくことで、体温調節をしているので、発熱時は体内の水分が不足しやすく、容易に脱水を起こしやすい状態です。
食欲がない場合は、無理に食べさせることはありません。塩分、糖分を含む水分を与えましょう。一度にたくさんではなく、こまめに少しずつ与えましょう。 - 2.食事は消化の良いものを!
- 最初は、軟らかく煮たうどんやおかゆ・スープなど、水分が多く消化の良いものがおすすめです。
2022年5月
高齢者の熱中症予防
熱中症とは
暑い環境にいることで体温調整ができなくなるために起こり重症の場合は命に関わることがあります。また、水分の摂取量が少ないと脱水になり熱中症になりやすくなります。
高齢者は特に注意
熱中症患者のおよそ半数は、65才以上の方です。
高齢者は温度に対する感覚が弱くなるため熱中症になりやすいです。持病がある人や体力が落ちている人は特に注意が必要です。
熱中症の症状
- 軽度
- めまい、立ちくらみ、汗が止まらない
- 中度
- 頭痛、吐き気、体がだるい
- 重度
- 意識がない、痙攣、高い体温、呼びかけに対して返事がおかしい、まっすぐに歩けない、走れない
予防方法
- 暑さを避けましょう
- エアコンの温度調節、暑い日や時間帯は無理をしない、涼しい服装にする
- 適時マスクは外しましょう
- 周囲の人との距離を十分にとった上で、適宜マスクをはずして休憩を
- こまめに水分補給しましょう
- のどが渇く前に水分補給、大量に汗をかいた時には塩分も忘れずに
- 日頃から健康管理をしましょう
- 体調が悪いと感じた時は、無理せず自宅で静養
- 暑さに備えた体作りをしましょう
- 暑くなり始めの時期から適度に運動を
熱中症になってしまったら
- 風通しのよい場所へ移動する
- 衣類を緩め、風通しをよくする
- 体を冷やす(首、脇の下、腿の付根を冷やすと効果的)
- 水分や塩分を摂取し十分に休息をとる
最後に
熱中症対策としては個人ごとの努力とともに、お互いに配慮や注意をしあうことも必要です。体調不良を気軽に相談できる雰囲気づくりや正直に申し出ることも大切です。お互いの体調に注意して声を掛け合いましょう。
2021年11月
ピロリ菌の検査がはじまりました
1.ピロリ菌ってなに?
ピロリ菌は、唾液等を介して胃に感染することにより、酵素を作って、強い酸性の胃の中でも生息できる細菌です。
胃の中に生息し続けると、粘膜を荒らし、慢性胃炎をおこすことがあります。これが進行して、胃の粘膜が萎縮する萎縮性胃炎になると、胃がんを発症するリスクが高まります。ピロリ菌陽性者の胃がんのリスクは、ピロリ菌陰性者の5倍といわれています。
日本でのピロリ菌の感染者数は、およそ3,600万人とも6,000万人とも言われています。陽性率は、10から20代では10%前後と低いものの、年齢が上がるにつれて増え、50代で40%程度、さらに60代以上では60%程度と高い割合であることがわかっています。
しかし、感染しやすい時期は抵抗力の弱い乳幼児期までであり、大人になってから感染する可能性は低いです。中高年以上の年代では、子どものころ、井戸水を飲用したり、大人から食べ物を口移しで与えられるといった習慣により、感染した方が多かったようです。
上水道の普及や、虫歯菌の感染予防の意識も高まった今日では、こういった感染経路は減っていると思われますが、同じ箸や食器類の共有を避けるなど、乳幼児への感染予防に注意しましょう。
2.ピロリ菌の検査を受けましょう
胃がんの発症リスクを軽減し、乳幼児期の家族内感染を防ぐために、名古屋市では令和3年10月よりピロリ菌検査を開始しました。
- 対象者
- 市内に居住地を有する20歳以上39歳以下の方(当該年度末時点の年齢)
ただし、ピロリ菌の除去治療を受けたことのある方、胃の手術を受けたことがある方は対象外 - 検査内容
- 問診、採血によるピロリ菌抗体検査 (血液中のピロリ菌の抗体量を測定します。)
- 検査回数
- 1人1回まで
- 検査費用
- 無料
- 検査実施場所
- 市内の協力医療機関
詳しくは、「名古屋市 ピロリ菌検査」で検索を。
ぜひこの機会に、ピロリ菌の検査を受けましょう。
2021年9月
子どもとストレス -みんなで乗り越えよう、コロナのストレス-
- 【1.子どもはいつストレスを感じているの??】
- 大人は当たり前のように「ストレス」という言葉を使いますが、子どもはどれくらいストレスを感じていると思いますか? 子どもの場合、入学や卒業、転校やクラス替え、受験などの環境が変化した時にストレスが大きくかかると言われています。
- そのため、このコロナ禍の時代は、新しい生活様式への変更を余儀なくされ、大人も子どももみんながいつも以上にストレスの影響を受けていると言えます。しかし、年齢が小さいほど「ストレスが溜まっている」という自覚は本人にありません。そして、自分の気持ちを上手く言葉にできないため、なぜ嫌な気持ちになるのか分からず、一人でストレスを溜めてしまいます。
- 【2.ストレスが溜まった時、子どもにはどんなことが起こるの??】
- ストレスを抱えきれなくなると、子どもは体の不調や行動などいろいろな形で大人にSOSを発信します。お腹や頭が痛くなったり、急に食欲旺盛になったり、全然食べられなくなってしまうこともあります。また、いつも以上にわがままを言ったり甘えたりする時は「何かあったのかな?」と、最近のお子さんの様子を思い出してみてください。もしかしたらストレスから大人に助けを求めているのかもしれません。
- 【3.一緒に考えよう、ストレスとの付き合い方】
- わたしたちの生活からストレスを全て失くすことはできません。大切なのはストレスと上手に付き合うことです。お子さんの様子が気になった時は、一時的なものと思わず、原因を一緒に考えてあげてください。そして、まだ自分でストレス発散方法を見つけられていないお子さんに、ストレス発散には色々な方法があることを教えてあげ、その中から自分に合う発散方法を選ばせてあげてください。
- このたくさんの選択肢から自分で選ぶという経験が大切です。自分の力で課題を乗り越えた時、子どもは自信がつき、また1つ成長できます。忙しい毎日ですが、ぜひこの機会にお子さんと一緒に考えてみてください (^^)
2021年7月
夏に起こりやすい子供の感染症とその対策や予防
〇夏に起こりやすい子供の感染症
- 1 夏かぜ
- (1)手足口病:口の中・手のひら・足の裏や甲に出る水疱性の発疹が主症状です。
- (2)ヘルパンギーナ:突然の発熱(1から3日)、喉の痛み、口腔内の水疱・発赤が特徴的な症状です。
- (3)咽頭結膜炎(プール熱):39度前後の発熱(数日から1週間)、咽頭炎、結膜炎(目の充血、めやに・涙が多くなる、まぶしがるなど)が主な症状です。プールを介して流行することが多い病気です。
- 2 その他(1年中起こることもあります。)
- (1)RSウイルス感染症:発熱・鼻水・咳が悪化し、気管支炎や肺炎を起こしやすく、感染力が強いのが特徴です。
- (2)溶連菌感染症:発熱、咽頭痛、いちご舌、赤く細かい発疹が主症状です。リウマチ熱や急性腎炎の合併症を起こすことがあるので検尿をして蛋白尿の出現がないか、治療後にも尿検査が必要な病気です。
- (3)食中毒:腹痛や嘔吐、下痢などが主な症状です。細菌が原因となる食中毒は(6から8月)に多く発生し、室温20℃で活発に増殖し始め、35から40℃で増殖が活発になります。(冬にはウイルスが原因となる食中毒が流行します。)
〇対策
- 発熱時:38.5℃以上の熱発時には熱性けいれんを起こしやすいので解熱剤を使用します。熱が下がるときに発汗しますので、下がったら着替えをしたり、体を拭いたりするとよいでしょう。水やイオン飲料など(乳児は母乳やミルク)、水分も多めに飲ませましょう。(飲んだ量は把握しておきましょう。)
- 咽頭痛・口内炎のある時:味の濃いものや柑橘系のものは刺激になり痛くて食べられないことがあるので避けましょう。熱いものは冷ましたほうが食べやすく、痛くて食べられないときは、鎮痛解熱剤を使用して痛みを取って食事を摂るのも一つの方法です。
- 吐き気・下痢がある時:柑橘系のものやヨーグルトは避け、消化の良いものや水分をなるべく摂るようにしましょう。もし食事も水分も摂れないときには、かかりつけに相談しましょう。(その時、食べたり飲んだりした量や嘔吐回数・下痢の回数など把握し、便の性状など写真に撮っておいて受診の時に医師に伝えましょう。)
- 脱水の時:尿の回数が少なく(半日に1回ぐらいしか出ないなど)濃いオレンジ色の尿が少量しか出ていないときは、水分をなるべく多く取らせましょう。(飲んだ量は把握しておきましょう。)
〇予防
- 手洗いをし、できるだけマスクの着用に心がけましょう。タオルの共用は避けましょう。
2021年5月
今、この時だから… 禁煙に成功して健康生活を!
新型コロナウイルス感染症の流行は止まらず、友人や同僚との会食の機会が激減しています。これまで、禁煙にチャレンジしていたけれど、お酒の席でみんなにつられて「ついつい吸ってしまった」方は、これを機会に禁煙にチャレンジしてみませんか?
タバコを吸うと、悪いことばかりが起こります。
例えば…
- 肺がんや喉頭がん等のがん疾患に罹る、その他にも気管支喘息、胃・十二指腸潰瘍、 心筋梗塞、歯周病、骨粗しょう症等、多くの病気に罹りやすくなります。
- タバコの煙は周囲の人の健康にも害を及ぼします。
…実際に、タバコの煙には約200種類もの有害物質が含まれており、そのうちの約40種類が発がん物質です。
なかでももっとも有害性が高いのがタール、ニコチン、一酸化炭素の3つです。
害を減らそうと新型タバコ(電子タバコ、非燃焼・加熱式タバコ)に変える方もいますが、有害物質はなくなるものではありません。
このように有害なことばかりなのに吸い続けてしまうのは、喫煙習慣の本質はニコチン依存症という「脳の病気」であり、心身ともにニコチンにコントロールされてしまっているからです。
また、生活の中にタバコを吸うことが組み込まれてしまっていて、食後やコーヒーを飲む時、アルコールを飲む時…等、条件反射のようにタバコをすってしまう「習慣性依存」もあります。
思い立ったら禁煙しましょう!
- 自力で頑張る。
- 薬局や薬店でニコチンガムやニコチンパッチを購入する。
- 医療機関に受診し飲み薬やパッチ等で禁煙する …等、色々な方法があります。
ご自身にあった方法で、ぜひ、この機会に禁煙にチャレンジしましょう!
禁煙すると体重が増えることがありますので、禁煙と同時に適度な運動とバランスの良い食生活にも気を付けましょう。