なごや食育ひろば

  • ホーム
  • サイトマップ
  • 文字の拡大縮小について

コラム

ホームコラム歯科医師・歯科衛生士からひとこと

歯科医師・歯科衛生士からひとこと

2018年8月(歯科衛生士からひとこと)

むし歯と飲み物について

暑い日が続くと冷たいものがとても好まれます。中でも熱中症を予防するためには水分補給は欠かせません。ジュース等の糖質の入った飲み物、お茶やお水等の糖質の入っていない飲み物と様々なものがあります。

飲み物の種類や飲み方により、涼しくなった頃に、むし歯ができてしまったという状況にならないように、気をつけましょう。

特に味のある飲み物では、冷たいと甘みの感じが少なくなるため、実は大量の糖質を含んでいても感じないことがあります。

糖質の摂取量が多いと、むし歯だけでなく、健康管理の上でも、悪影響を与えます。水分補給には、味のない飲み物をたくさん飲むように心がけましょう。

子供が虫歯を痛がってタオルでほっぺを押さえながら泣いているイラスト

2018年6月(歯科衛生士からひとこと)

歯と歯の間をお掃除しましょう

毎年6月4日から6月10日は歯と口の健康週間です。歯を健康に保つため、皆さん歯磨きをしているかと思いますが、歯ブラシだけでは歯の汚れは60%程度しか取れていません。歯ブラシの届きにくい所には汚れがたまってしまいますので、歯と歯の間をお掃除する必要があります。歯間清掃道具はデンタルフロスと歯間ブラシがあります。

デンタルフロスは糸タイプとホルダータイプがあります。糸タイプの方が経済的な場合が多いですが、慣れていない方はホルダータイプが良いでしょう。(子供用もあります。)歯と歯の間に物がはさまるように感じてきた方は歯間ブラシがおすすめです。サイズも様々ですので、かかりつけの歯科医師、歯科衛生士にご相談の上ご使用ください。

歯と歯ブラシ、フロス、歯間ブラシ、歯磨き粉のイラスト

2018年4月(歯科衛生士からひとこと)

むし歯菌の感染について

有名芸能人一家に赤ちゃんが誕生して、成長を追いかける番組の中で、おじいちゃんが孫を抱きあげてほっぺにチューをしようとすると、それを見た若いパパが、むし歯菌がうつると叫んでいました。

皆さんお気づきになられましたか?これは、むし歯予防における新しい考え方を反映しているシーンなのです。

生まれてきたばかりの赤ちゃんの口の中にむし歯菌は存在しません。歯が生えてきて初めて、口の中にむし歯菌が検出されます。むし歯菌は歯のような硬いところにしか住めないからです。歯が生え始める生後6か月頃から身近なお母さんなどの唾液から感染して赤ちゃんの口の中にもむし歯菌が存在するようになります。特に19か月(1歳7か月)から31か月(2歳7か月)までの間がもっともむし歯菌の感染を受けやすい時期となります。

この時期のお子さんの口の中は、前歯がすでに生えそろい、奥歯が生え始めてきて生えそろうまでの時期にあたります。ここでしっかり感染予防ができれば、その後のむし歯になるリスクは減少すると報告されています。

むし歯予防のためには、お母さんを中心とする近親者が未治療のむし歯などがあれば、まずそれを治療し、お口のケアに取り組み、口の中のむし歯菌を減らしてから赤ちゃんと接するようにしましょう。

お母さんにだっこされている赤ちゃんと歯磨きをしている近親者のイラスト

2018年2月(歯科衛生士からひとこと)

歯医者さんとのつきあい方

歯医者さんというと、歯を削るキーンという音が思い浮かんで、できれば行きたくないという方も多いのではないでしょうか?そのため少しくらいの痛みなら我慢してしまいがちですが、それが歯の状態をどんどん悪くしてしまっているのです。

状態が悪化すれば、それだけ治療も困難になり、痛みも多くなります。この悪循環を断ち切るためには、自分自身の歯に対する認識を高め、積極的に治療を理解しようとする気持ちが必要です。

歯医者さんに対する恐怖の1つとして、目を閉じて口を開けている間に、どんな事をされるのかわからないという事がありませんか?こうした事を予防するためにも、治療の必要性、手順を歯医者さんに遠慮なく質問して納得されてから治療を始めてもらいましょう。

治療中に痛みや不快感があったら、決して我慢する必要はありません。どうしても嫌な時は、きちんと説明すれば無理やり治療されることはないはずです。気持ちの準備ができたときに、もう一度治療を受けに行きましょう。

歯科で問診を受けている人のイラスト

2017年12月(歯科衛生士からひとこと)

【食品による窒息事故に気をつけましょう!】

もうすぐお正月!お正月は、家族や親戚、お友達とワイワイ賑やかに食事をする機会が多いですね。でも、大人がおしゃべりに夢中になっている間に、お子さんが喉に詰まらせて…なんてことになっては大変です。14歳以下の食品による窒息事故は、6歳以下に集中しており、0から1歳児が全体の60%以上を占めています。

窒息の原因になる食品は、菓子類(マシュマロ、ゼリー、団子、あめ)、果物類(リンゴ、ぶどう)、パン(ホットドッグ、菓子パン)、肉類、餅、寿司、チーズ、そうめん等々、日頃食べる機会の多い食品です。乳幼児のお口は、歯が少なく食べる機能が未発達な状態です。楽しく安全に食事をするために以下の事に気をつけましょう!

  1. 食事をするときは、一人にせず、誰かがそばで見守りましょう。
  2. 食べることに集中できる環境を作りましょう。
    おもちゃで遊びながら、テレビを見ながら、歩いたり走ったりしながら…など「ながら食べ」はやめましょう。また、おむつを替えるときなど寝転んだまま食べさせないようにしましょう。
  3. 食べやすい大きさにして、一口量は、無理なく食べられる量にしましょう。
    口いっぱいに詰め込むと舌を動かしにくく、噛むより丸飲みしやすくなります。「モグモグ、カミカミ」と声をかけゆっくりよく噛む習慣をつけましょう。噛むことで唾液が増え、美味しく安全に食べられます。
  4. ピーナッツなどナッツ類や豆、あめやグミなど、固いもの、口の中で溶けるまでに時間のかかるものは、3歳頃までは控えましょう。
  5. 食事中に驚かせたり、急がせたりしないようにしましょう。食事中に眠くなっていないか、きちんと座っているか姿勢にも注意しましょう。

家族で談笑をしながら食事をしているイラスト

2017年10月(歯科衛生士からひとこと)

「フレイル」って何?

「フレイル」あまり聞きなれない言葉かもしれません。これは日本老年医学会が2014年に提唱した言葉で「高齢になって筋力や活力が衰えた状態」の事を言います。これは健康と病気の「中間的な段階」であり、75歳以上の高齢者はこの段階を経て徐々に要介護状態に陥っていくといわれています。

しかし、気づいた段階で適切に対応すれば改善は可能です。特にフレイル状態になる前の「プレ・フレイル」の段階で早期に気づきその状態を維持することが健康長寿につながると考えられています。

フレイルを表した図
(東京大学 高齢社会総合研究機構・飯島勝矢:作図)

「フレイル」のサインは以下の3つ、気づいたら早めに予防しましょう。

1.食べることの偏り、お口の機能のおとろえ「オーラルフレイル」
◆よく噛んでしっかり食べる、お口の体操で機能アップ
2.歩く、体を動かすなど運動の機会が減る
◆今より10分多く体を動かすなど運動の機会を増やす
3.ボランティア、サークル活動など外出、社会参加の機会が減る
◆自分の培った経験を活かすなど、自分に合った活動を見つけ社会参加する

2017年8月(歯科衛生士からひとこと)

良い歯を育てる食生活

女の子がお菓子を食べているイラストとアイス、ケーキ、ドーナツと虫歯菌のイラスト

夏は、ついつい冷たいジュースやアイスに手が伸びる季節ですね!

自動販売機やコンビニが、少し歩けば目につくので、お子さんの熱中症予防に…と、気軽に買って飲ませがちですね。しかし、清涼飲料水やアイスには、 たくさんの砂糖が含まれているので、むし歯や肥満、食欲不振につながります。

特に乳幼児期は離乳食を食べない、ご飯を食べないお子さんが、意外と多量のジュースを飲んでいたり、フルーツ味の棒アイスを1日中口にくわえていたりといった話を耳にします。清涼飲料水の多くは、さわやかな飲み心地にするために酸性になっています。

そして、その酸っぱさを和らげるために大量の砂糖が入っているのです。ノンシュガーであれば、むし歯はできにくいですが、酸は歯のミネラル成分を溶かし出してしまうので注意が必要ですね。甘くて冷たい飲み物、食べ物は時間を決めることが大切です。

2017年6月(歯科衛生士からひとこと)

唾液の作用

唾液は、食べる、飲む、話す機能を営む上でからだの機能維持に重要な働きをします。

☆抗菌作用
口は空気や食べ物が常に入り雑菌にさらされています。
唾液には細菌増殖を押さえる「抗菌作用」があります。
唾液のイラスト
☆消化作用
ごはんやパンなどのデンプン質を糖に変える「消化作用」があります。
☆粘膜保護作用
唾液には「ムチン」というタンパク質が含まれています。
硬い食べ物が接触しても傷がつかないように粘膜を保護します。
☆食塊形成作用
唾液の「ムチン」は食塊形成、摂食・嚥下に重要な働きをしていて、少なくなると誤嚥の原因になります。
☆修復作用
唾液には傷を治す因子や、脳神経の老化を防止する因子が含まれています。
☆自浄作用
食べかすを洗い流す作用があります。睡眠中は唾液の分泌が少なくなり、自浄作用が低下します。

このように唾液は殺菌・洗浄作用で口や歯の病気を予防し、食べること、飲み込むこと、会話をしやすくします。

2017年4月(歯科医師からひとこと)

生活習慣とお口の健康

ほとんどの生物の生命活動は、「概日リズム」という約24時間の周期でおこる体内リズム(体内時計)によって支配されていることが知られています。このリズムを司っているのが、時計遺伝子と呼ばれる遺伝子です。血圧や体温など様々な体の働きに「概日リズム」があり、夜更かしなどの不規則な生活によってこのリズムが乱れると、様々な病気の発症につながっていくと言われています。つまり、このリズムを正常に保つことが体の健康にとってとても重要です。

お口の健康と「概日リズム」の働きで大切なことは唾液の分泌です。唾液は、口腔内のpHを酸性に傾くことを防ぐ、食べかす等が口腔内に残りにくくする、歯の修復を促す、細菌の増殖を防ぐ、消化・吸収の促進などの大切な働きがあります。「概日リズム」の乱れは、唾液の分泌の乱れにつながり、歯周病や虫歯などを助長させてしまう危険があります。

よって、生活習慣はお口の健康に深く関わっていますので、規則正しい生活を心がけ、歯周病やむし歯を予防していきましょう。

2017年3月(歯科衛生士からひとこと)

災害時の子供のお口の健康について

備え再点検

熊本地震では、被災地の物資不足がなかなか解消されず、不便な暮らしが続いたそうです。自治体が用意した備蓄物資は、被害が甚大で足りなかったようです。

避難生活に備えるためには3日分を目安に!

乳幼児のために持ち出し袋に入れておくとよいもの、また普段からの持ち歩き品(外出先で被災した時役立ちます)

・母子健康手帳・保険証(コピー)・紙おむつ・おしりふき・抱っこひも
・おもちゃ・飲料水(ミルク用 軟水)・粉ミルク・プラスチック製ほ乳瓶
・離乳食(開始している場合)・肌着・着替え・タオルやガーゼのハンカチ
・歯ブラシ

お口の健康を守るために

長期の避難所生活では、アメやチョコレートなどの砂糖の多い甘いお菓子、お茶やお水の代わりにジュースやイオン飲料(酸性飲料)を飲む機会が多くなり、むし歯が一気に増えることもあります。そのためにも口腔ケアは必要です。

  • 歯ブラシ、口腔ウエットティッシュ(ノンアルコール)などを使用して、保護者による仕上げみがきが大切です。
  • 食後に緑茶によるうがいや、キシリトールのタブレットを使用することも、むし歯予防になります。

歯ブラシ、口腔ウエットティッシュ、キシリトールガムと防災リュックのイラスト

2017年2月(歯科衛生士からひとこと)

三つ子の魂 百まで
-生涯を通じて口と歯の持つ機能を育て向上するために1)

楽しそうにお弁当を食べている保育園児のイラスト

三つ子の…

「生後3年間に受けた、しつけや教育、人間に必要とされる情操教育は、その後100歳になっても、その根拠は変わらない」ことを言い表したものとされます。言われ始めの時期は、平均余命80歳の今よりも前の時代で、「到達する見込みの乏しい100歳になっても変わらぬほど持続する」ことを意味します。

魂とは…

3歳とはどのような年齢なのでしょうか?親だけを向いていた内向きの人間関係が、親を背景に外向きの人間関係を求めるようになり、行動範囲も広がり、自我と社会性を高め始め、独り立ちへの芽生えの時期と言われます。生後3年は、親とともに周囲の大人や子供が育て、しつけと情操教育の「子育ち」の場となります。

歯科の立場から見ると、生まれた時には歯が無く、歯を必要としない栄養源である母親の母乳で育ち、生後6か月頃からの生歯とともに、離乳食へ。そして、もぐもぐ、ごっくんと、噛むこと、飲み込みを習得して、食を味わい3歳へ。親は、間食、偏食、小食(孤食、個食)などの食の育ちに不安を覚え感じながら、砂糖を抑え、ブラッシングの習慣づけを基本に、むし歯予防をしつけ、子が育ち3歳へ。これが歯科版の魂です。

名古屋市の子供の歯科保健状態は、平成元年の1歳6か月児は、4.17%がむし歯に罹り、1人平均0.12本のむし歯数でした。3歳児では、40.34%、1.81本。これが、平成27年には、1歳6か月児で1.08%、0.03本。3歳児では9.29%、0.31本となり、この27年間で、1歳6か月児は乳歯むし歯に罹る児、むし歯の本数ともに約1/4に減少し、3歳児では、むし歯に罹る児が約1/4に、むし歯の本数が 約1/6に減少し、望ましい状態に近づきつつあります。
(名古屋市健康福祉年報(事業編)平成元年度、平成27年度資料)

それでは、100歳へ…

老夫婦がウォーキングをしているイラスト

「80歳を超えても20本以上の歯を保持しよう」との8020キャンペーンや「1口30回よく噛みましょう」との噛ミング30(カミングサンマル)キャンペーンを耳にしたことがあるでしょう。

健康なごやプラン21(第2次)では、名古屋市の80歳高齢者で、20本以上の歯を保持している方の割合を平成25年の58.3%から平成34年の目標として68%と10ポイント増加を目指しています。歯があることで、するめ、たくあん、酢だこなど硬いものまで何でもが噛める状態にあるとされ、生活に根付く噛ミング30(カミングサンマル)が、高齢期にもつながります。

一見、噛めることが当たり前のように思えるのですが、噛めない高齢者が少なからずみえます。このような高齢者では、十分な栄養が取れず、特に、体重の減少、筋力低下、疲労感、歩行速度、身体活動の5項目が衰えるリスクが高まり、このような状態をフレイルと呼んでいます。

この背景に食の安定性が深くかかわっていることが研究により明らかとなり、このかかわりを「食力(しょくりき)」として位置づけ、「口腔機能低下予防の新たな概念」として「オーラルフレイル」が提案されています。

この食力により、口腔の清潔、歯周病・むし歯の発生予防と抑制をとおして、抜ける歯に歯止めをかけ、滑舌(舌を滑らかに動かす)、唾液分泌を促すなど、噛める状態を確保することになります。ここで根底になるのは、魂として3歳までに習得した、口腔の清潔、むし歯予防、食の選択、味わい、噛むことがあります。

これら、歯科版三つ子の魂に加えて、6歳臼歯、12歳臼歯のむし歯予防をしつけ、人生の豊かな高齢期を支える魂として、生涯、活かせること、生きていることを知りましょう。高齢者支援は、子育て支援にフィードバックされ、循環し、実りが大きくなる。これが、21世紀を貫く健康なごやプラン21の本質ではないでしょうか。

1)健康なごやプラン21(第2次)の第3目標。
以下、目標1はむし歯と歯周病を減らす。目標2は、80歳で20本以上自分の歯を有する人の割合を増やす。

2017年1月(歯科衛生士からひとこと)

ママのおなかの中で歯は作られる♡

お子さんの歯が、ママのおなかの中で作られていることをご存知ですか?
乳歯だけでなく一生使う永久歯も、おなかの中にいる時に作られています。

妊婦さんと乳歯と永久歯のイラスト

1.歯が作られる時期
乳歯と永久歯が作られる時期を載せた表
  歯胚(歯の芽) 石灰化(硬くなる) 生えはじめる
乳歯(下の前歯) 妊娠7週ごろ 妊娠18週ごろ 生後6か月
永久歯(6歳臼歯) 妊娠16週ごろ 出生時 6歳
2.歯を作っている主な栄養素と食材
歯を作っている主な栄養素と食材を載せた表
糖質 米、小麦、いも類など 歯の基質(土台)をつくります
タンパク質 魚、卵、肉、大豆製品など 歯の基質(土台)をつくります
カルシウム・リン 牛乳、チーズ、しらす干しなど 歯の石灰化を促します
ビタミンA レバー、ほうれん草、にんじんなど エナメル質形成を促します
ビタミンC ブロッコリー、みかん、さつまいもなど 象牙質形成を促します
ビタミンD きくらげ、干ししいたけ、卵黄など カルシウムやリンの
吸収・代謝を促します

歯を丈夫にするためには、歯があごの中で作られる時期からの栄養が大切です。カルシウムだけでなくタンパク質やビタミンなどを多く含む食品をバランスよく摂るようにしましょう。

エナメル質と象牙質を表したイラスト

2016年12月(歯科衛生士からひとこと)

必死で捜した歯

口を開けて困っている女子中学生と、前歯を指して困っている男子中学生のイラスト

中1の息子と三女を送り出して、さてと思ったら、鏡の前に息子がいる。「どうしたの、遅刻しちゃうよ」と言いかけて言葉をのみ込んだ。振り向いた息子は血まみれの口から血を滴らせ、「もう元に戻らん」と泣き出した。

「歯はどこにあるの」と叫びそうになった。登校途中、自転車で転んだという息子の口には、上の前歯がなかった。息子をせっついて、血の跡の残る凍ったアスファルトにほおをすりつけるようにして探したが、見つからない。

歯、息子の歯。毎晩仕上げ磨きし、毎年の検診で歯垢(しこう)を除去し、虫歯のない、きれいに並んだ、これだけは本当に自慢の歯。早く見つけなくっちゃ、車にひかれてこなごなになっちゃう。必死の私に「母さん、あれ」と息子が指さした。側溝の水の中で、白い4センチもある三日月形が輝いている。じゃぶじゃぶ入って拾いに行った。

切るのか縫うのかと思った修復手術は、抜け落ちた歯と穴をきれいにして差しこみ、隣の歯と接着剤でとめるものだった。歯がつくかどうかは本人の回復力次第という。がんばれ、息子。毎日好きなだけ食べて、眠って、野球をしているのは、こんな時のためでしょう。

夜、4人の子どもに言った。「歯でも落としたら必ず拾いなさい。泣いて見失うようなまねをするんじゃない。」

(随分前の朝日新聞“ひととき”にあった投稿文から)

2016年11月(歯科衛生士からひとこと)

歯磨き剤の成分にも注目を!

歯磨き剤は、法律により「化粧品」と「医薬部外品」に分けられます。研磨剤、湿潤剤、発泡剤などの基本成分だけの物は、「化粧品」に。基本成分に薬用成分が加えられていると、「医薬部外品」として販売されます。日本で販売される約90%は、「医薬部外品」です。ふだん何気なく使っている歯磨き剤も、配合されている薬用成分によって効果が違ってきます。購入時の参考に、薬用成分について紹介します。

主な薬用成分と作用

【フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム】
歯の質を強化し、再石灰化を促進させ、むし歯を予防します。
【塩酸クロルヘキシジン、トリクロサン、塩化セチルピリジニウムなど】
むし歯菌、歯周病菌などの殺菌作用があります。
【グリチルリチン酸類、ヒノキチオールなど】
歯ぐきの炎症を抑えます。
【トラネキサム酸】
歯周病などによる歯ぐきからの出血を抑制します。
【乳酸アルミニウム、硝酸カリウム】
知覚過敏を抑えます。
【デキストラナーゼ】
プラーク(歯垢)を分解し、プラークが再び沈着するのを防ぎます。
【ポリリン酸ナトリウム】
歯石が沈着するのを防ぎます。

目的に合った歯磨き剤を選び、むし歯や歯周病を予防しましょう!

歯磨き剤、フロス、歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルリンスと家族の笑顔とバイ菌が泣いているイラスト

2016年10月(歯科衛生士からひとこと)

「いい(11)歯(8)」はどんな歯?

11月8日は「いい(11)歯(8)」の日です。では、「いい歯」とはどんな歯のことでしょうか?

むし歯のない歯、歯並びのいい歯、真っ白な歯…いろいろとあると思いますが、「よく噛める歯」であることも、子どもから高齢者までとても大切なポイントとなってきます。

皆さんは普段のお食事で「よく噛むこと」を意識していますか?実は、卑弥呼のいた弥生時代の人びとは1食あたり3990回噛んでいたそうですが、現代人は620回と、その回数は6分の1ほどに減ってしまいました。

よく噛むことにはたくさんの効用があり、その効用をうたった「卑弥呼の歯がいーぜ」という標語も作られています。

「ひ」が○で囲まれている文字
肥満予防
「み」が○で囲まれている文字
味覚の発達
「こ」が○で囲まれている文字
言葉の発音がはっきり
「の」が○で囲まれている文字
脳の発達
「は」が○で囲まれている文字
歯の病気予防
「が」が○で囲まれている文字
がん予防
「いー」が○で囲まれている文字
胃腸の働きを促進
「ぜ」が○で囲まれている文字
全身の体力向上と全力投球

よく噛むと身体に良いことがいっぱい!健康においしく楽しくお食事を続けていくために、よく噛んで食べることを意識していきましょう。

男の子がフォークを持って、「よくかんでたべよう」と書かれているイラスト

2016年9月(歯科衛生士からひとこと)

飲み物をあげる際にお子さんには「こぼしてほしくない」「早くストローで飲めるようになってほしい」とお思いの方も多いかと思います。

しかし、急にストローが使えるわけではありません。お口の発達には順番があります。ストローが使用できるようになるまでを紹介します。

  1. 離乳中期(口の角が左右対称に引かれるよう)になったら、ティースプーンなどの浅いスプーンを使って歯が閉じた状態で、すすり飲みの練習をしましょう。
    ※すすり飲みを練習することでストローで吸う動きも覚えていきます。
  2. 10か月以降くらいからコップやレンゲからの連続飲みの練習をしましょう。
    下唇の上にコップやレンゲのふちを置き、上唇に水面が当たるところで止め、飲ませましょう。
    ※口が大きく開くことがあるため、下顎を下から人差し指で支えて口が開きすぎないように補助しましょう。

お家にいる際はコップを使い、お口の機能を育て、お出かけの際にはストローを使うなど無理なく続けられると良いでしょう。

シロクマのイラスト

2016年8月(歯科衛生士からひとこと)

名古屋市では食育基本法に基づき、市民の皆様の生涯健康で心豊かな生活の実現をめざし、食育を総合的・計画的に推進するために、「名古屋市食育推進計画(第3次)」を策定しました。計画期間は、平成28年度から平成32年度までの5年間です。

また、この機会に共通テーマとして朝食摂取を推進するための「食べよう!朝ごはん♪」のロゴマークを作成しました。

普段、何気なく食べている朝食にも、いろいろな効果があります。寝ている間に下がっていた体温が上がり、身体の働きが活発になります。脳は眠っている間もブドウ糖(ごはん、パンなどの炭水化物が体内で分解されたもの)を消費しているため、こうした栄養素を補給することで午前中の集中力を養う効果があり、気持ちが落ち着きます。また、一日に必要な栄養量のバランスが良くなり、まとめ食いや間食を防ぐため肥満予防になります。

朝食を摂る習慣が今無い方には、せめて菓子パン程度の簡単な食事でも食べていただきたいと思いますが、食育として理想的な朝食は、静かなリラックスできる空間で、家族や友人、仲間と五感で美味しいものをよく噛んで味わい、合間の会話を楽しみながら過ごすことです。食事中にスマホをいじったり、テレビに夢中になったりせず、短時間であっても環境を整えて毎日朝食を摂りましょう。そして、食後の歯みがきも忘れずに。時間をかけて綺麗にみがいてください。

「食べよう!朝ごはん♪」のロゴマーク

2016年7月(歯科衛生士からひとこと)

お口の臭い、悩んでいませんか?

おしゃべりをしているときに、ご自分の口臭が気になるときはありませんか?

口臭には主に起床直後、空腹時、緊張時などに起こる生理的口臭と、飲食物や嗜好品による口臭、そして病気が原因である病的口臭の3種類があります。

病的口臭は、鼻や喉の病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気、糖尿病などが原因で起こる場合もありますが、病的口臭の9割以上は口の中に原因があります。歯周病、むし歯、プラーク、歯石、舌苔(ぜったい)、唾液の減少、入れ歯の清掃不良などが原因で起こります。

口臭予防は口の中を清潔にすることが一番です。自分で毎日口の中をきれいにするセルフケアと、歯科医師、歯科衛生士が定期的に清掃を行うプロフェッショナルケアが大切です。

1 セルフケア

  • 歯ブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシなどを使ってきれいにしましょう。入れ歯を使用している人は、入れ歯も清掃しましょう。
  • 舌苔は口臭の大きな原因となります。舌苔は舌の表面に付いた白色や黄色、黒色をした苔のようなもので、死んだ細菌やはがれた粘膜などからできています。舌苔は水でぬらした舌ブラシか柔らかめの歯ブラシ、またはガーゼを使い、舌をできるだけ前に出して、奥から手前へ優しく動かして除去します。
    舌の粘膜は柔らかく、1日に何度もゴシゴシこすると表面に傷を付けてしまうので注意してください。
  • 唾液の出が悪く、口が渇くときは、唇や頬の裏側と歯ぐきの間に舌を入れ、歯ぐきをなぞるように舌を大きく動かす舌体操がお薦めです。

2 プロフェッショナルケア

  • 定期的に歯科検診を受けましょう。
  • PMTC(専門的歯面清掃)や歯石除去をしてもらいましょう。

お猿さんがお口を隠しているイラスト

2016年6月(歯科衛生士からひとこと)

むし歯でなくても、歯は溶ける「酸触歯(さんしょくし)」

歯は、エナメル質、象牙質、セメント質、歯髄で構成されています。【図1】
なかでもエナメル質は、生体の中で一番硬い組織なのですが、pH*5.4以下で溶けてしまいます。酸で侵蝕してしまった歯を酸蝕歯といいます。

歯の断面図でエナメル質、象牙質、セメント質、歯髄で構成されている図

暑くなりのどの渇きが気になる季節になりました。市販されている飲み物にはpH5.4以下のものが、多くあります。コンビニエンスストアや自動販売機で、手軽に購入できますが、酸で、歯を溶かさないためにも、飲み物の種類は、 選びましょう。【図2】

飲み物で酸蝕歯になるリスクを表した図

健康な時や普段は、お茶・お水を飲みましょう。激しいスポーツを行ったとき、高熱が出たとき、胃腸風邪をひいてしまった時などは、イオン飲料等と使い分けてみてはいかがでしょうか?

また、飲み方も、大切になります。食事や間食、酸性の飲み物を飲むたびに、お口のpHは酸性になります。だ液の力で、30分から60分かけて中性の状態に戻りますが、飲食回数が多くなると、中性の状態に戻る時間が少なくなり、歯(エナメル質)へのダメージは、大きくなります。

この夏、飲み物で、歯が溶けるか溶けないかは、あなた次第です。

pH*(ピーエイチ):物質の酸性、アルカリ性の度合いを示すための指標。
pH=7が中性。7より小さくなれば、酸性。7より大きくなれば、アルカリ性。

2016年5月(歯科衛生士からひとこと)

皆さん、「キシリトール」はご存知ですか?!

最近は、各メーカーから様々な種類のキシリトールを使用したガムなどが販売されているので、耳にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

キシリトールは、シラカバなどの樹木から取れる成分を原料とする、天然素材の甘味料。砂糖と全く同じ甘さなのに、カロリーは砂糖の約75%と控えめ。そして、その最大の特徴は、「むし歯菌をコントロールできる甘味料」ということです。

エサである糖分が「キシリトール」だと、むし歯菌は「キシリトール」を食べても、それが糖分ではないため、酸を作り出すことができません。それどころか、生きていくエネルギー源を取ることができなくなるため、菌自体が弱り、減っていくのです。

つまり、ガムを噛むことによって、むし歯菌を減らすことができる。美味しくてローカロリー。そして、むし歯予防までできる。それがキシリトールなのです。

-歯の健康のため、日常にキシリトールを取り入れてみてはどうですか?-

効果的なキシリトールの取り方
まずは食後に毎日食べましょう。(1日3回3粒)これが基本です。
キシリトールは、たくさん食べるとお腹がゆるくなる人もいるため、まずは食後に3回。それでも大丈夫なら、1日5回程度が望ましいでしょう。
製品の選び方
一番の理想は、100%キシリトール含有のもの。しかし、これは歯科医院などの医療機関でないと購入できません。これでは、なかなかお手軽とは言い難いですね。そこで、スーパーなどで市販されているキシリトール製品から選ぶときは、できるだけ含有量の多いもの、できれば50%以上のものを選ぶようにしてください。含有量は、商品のラベルに『甘味料として○%キシリトール使用』と書いてあればすぐにわかりますが、もし書いてなかった場合、次の算出方法を参考にしてください。

キシリトールg÷炭水化物(もしくは糖質)g×100=キシリトール含有量%

この計算式を覚えて、ぜひ今お持ちのキシリトール製品の含有量を調べてみてください。

キシリトールガムのイラスト

2016年4月(歯科衛生士からひとこと)

歯の外傷について

歯の外傷は、1から2歳の乳幼児や7から8歳の学童児に多く見られるものです。受傷した際の対応のポイントについて簡単にまとめました。

◎全身状態のチェック
お口の周りだけではなく、頭や、他の体の部位等に受傷がないかを確認します。
◎受傷状況の正確な把握
いつ、どこで、どのように受傷したかを把握しておくことは、医療機関に受診する際に大切な情報となります。また、歯が折れたり、抜けてしまった場合はそれらがどこにあるか、確認をしておくことも大切です。
◎出血があれば止血
口腔内からの出血の場合は、軽くうがいをさせるか、濡らしたガーゼにて血液を拭い出血部位を確認します。確認後、清潔なガーゼにて圧迫止血を行います。口びるは、汚れが付いていれば水で洗い、出血があればガーゼにて止血をします。

◎頭痛や吐き気、めまい、末端のけいれん、嘔吐などがみられる場合は、子どもの意識状態や反応を確認して、歯科受診の前に医科を受診する

つづいて外傷を予防するためのポイントです

  • 健全な生活を心がけ健康上の問題を解決する
  • 安全な環境を整える
  • 応急処置法、緊急時の対応を学んでおく
  • スポーツ用防具やマウスガードの使用も考える

難しいとは思いますが、外傷を起こさないために予防することと、外傷が起きたときには冷静に対処することが大切です。

2016年3月(歯科衛生士からひとこと)

その食べ方大丈夫!?

不慮の事故による死亡原因のうち、窒息死が交通事故よりも多いことを知っていますか?特に乳幼児や高齢者に多発しています。乳幼児期に意外と多いのがベビー用のおやつによる事故です。高齢期に多いのは、ご飯、野菜・果物、パンなどの日常的な食物などで引き起こされる事故です。窒息事故を予防するために、日頃の食べ方を見直してみましょう!

窒息しやすい食べ方と予防対策を表した表
危険!
窒息しやすい食べ方
予防対策
口を開けたまま奥へ食べ物を入れこもうとする ・食べ物を前方に取りこみ、お口は閉じる
・一口量を多くしない
早食い ・ゆっくり噛んで唾液と食べ物をよく混ぜ合わせる
・歯のない人は入れ歯を入れてしっかり噛む
食べているときに急に声をかける ・飲み込んでから話をする
・食事中に驚かせるような行動をしない
遊びながら食べたり、仰向けの状態で食べる ・食べている際に急に上を向かない
・食べる際の姿勢に気をつける
口に食べ物が入ったままおしゃべりをする ・食べることに集中する
見守りなしで1人で食べる ・乳幼児や障がい者、高齢者と一緒に食事をする際は、食事の様子を見るなど注意を払う

家族が食事をしているイラスト

安全で楽しい食事を!

2016年2月(歯科衛生士からひとこと)

赤ちゃんの指しゃぶりやおもちゃなめは食べるための準備です

生後6ヵ月ごろになると、自分の意思で体を動かすことを覚えます。まずは手を口に運び、なめまわし、指を吸ったりします。足を持ち上げて足の指にまで吸いつきます。

こうした赤ちゃんの遊びは、お口の発達にとても深く関係しています。それは、乳首以外のものが口に入ってくる感覚に慣れ、生まれながらのおっぱいを飲む反射(吸綴反射)の消失をうながすことにつながっているのです。グーのままなめたり、指を何本も入れたり出したり、親指だけをくわえたりと、いろいろなバリエーションの感覚刺激が与えられることで、唇や舌がいろいろな動きを経験することができます。

さらに赤ちゃんの体の発達が進み、手を伸ばしておもちゃを握ることができるようになると、おもちゃという素材も大きさもさまざまな刺激が、赤ちゃんのおくちに与えられることになります。指しゃぶりもおもちゃなめもこの時期の赤ちゃんには大切なお口の練習なのです。「吸う」動きから「食べる」動きを学習しているのです。

ただ自分の意思でお口の中に物を入れるのが大好きな赤ちゃんですが、他の人の指や、他の人の持っている道具が入ってくるのはまた別です。

遊びの中で、赤ちゃんのお口に指を入れて、歯ぐきや頬の内側をマッサージするような遊びをしておくと、その後の歯みがきをスムーズに進めるのに役立ちます。

幼児の指しゃぶりは乳児の指しゃぶりと違う!?

3歳頃までの子どもにはまだいろいろな場面で指しゃぶりがみられることがあります。

赤ちゃんが指をしゃぶっているイラスト

  • 赤ちゃんのころの指しゃぶりが習慣化して、無意識に行っている場合。
  • 緊張したときやストレスのかかった時のセルフコントロールとして行っている場合。
  • その他、環境不適応などが考えられ、注意が必要な場合。

乳歯が生えそろった後も指しゃぶりが続くと歯並びやかみ合わせへの影響が出やすくなります。習慣化した指しゃぶりをやめるためには、本人の自覚とやめようとする意思が必要になります。お母さんの心配や焦りもわかりますが、まずは気持ちに余裕を持って、根気よく待ち、少しずつ指しゃぶりの時間を減らしていきましょう。

2016年1月(歯科衛生士からひとこと)

実践しよう! 予防歯科

「予防歯科」とは、むし歯になってからの「治療」ではなく、なる前の「予防」を大切にすることです。近年、むし歯を持つ子どもは減ってきました。
しかし成人になると、9割以上の人がむし歯を経験しています。大人も子供もむし歯を予防する為に、どんなことに気をつけるといいのでしょうか。

1.食べたら磨こう
むし歯、歯周病の原因菌のかたまり「プラーク」を、しっかり取り除くことが大切です。
デンタルフロス、歯間ブラシを使い、歯と歯の間の汚れを取ることも忘れずに。入れ歯がある人は、食事後は外して、流水の下ブラシでこすって洗いましょう。
歯と歯ブラシ、フロス、歯間ブラシ、歯磨き粉のイラスト
2.だらだら食べをやめよう
時間を決めずに間食を摂るのは、最もよくありません。特に寝る前に甘いものを摂るのは、やめましょう。ジュース、缶コーヒー、スポーツドリンク等の飲み物に含まれている「砂糖」にも要注意!
3.フッ化物を上手に使おう
フッ素は「歯質の強化」「初期むし歯の再石灰化」「抗菌作用」という3つの働きで、むし歯を予防します。歯ブラシの届きにくい場所に効果的です。
フッ素配合歯みがき剤を使用後は、少ない水で1から2回だけのうがいにすると、フッ素が口の中に残りやすくなります。
4.定期検診を受けよう
少なくとも年に2回は、かかりつけ歯科医院でチェックを受けましょう。
子どもが歯医者さんからOKサインをもらっているイラスト

お口の健康は、全身の健康につながります。

生涯健康な歯とお口を保つ為に、毎日自宅等で実践する「セルフケア」と、歯科医院等で専門家が行う「プロフェッショナルケア」の両輪が大切です。家族みんなで、積極的に「予防歯科」に取り組んでいきましょう。

2015年12月(歯科医師からひとこと)

むし歯のない子に育てるために最初の目標は、3歳です

好ましい育児そのものがむし歯予防です。

(1)甘党にしない育児方針

  • 好ましい育児そのものをしてください。特別なことをするのではありません。
  • おやつの与え方を間違えないでください。
  • お母さんが、ひとりで頑張らないことです。
  • 子どものまわりにいる人々に、協力をお願いします。

(2)歯みがき習慣

  • 手に持ったものは、何でも口に入れる時期に、歯ブラシも持たせて覚えさせます。
  • 歯ブラシをおもちゃとして、持たせる時期があります。
  • 寝る前の寝かせみがきを毎日していると、睡眠儀式になります。
    (注)歯ブラシをくわえたまま、走りまわるようなことはさせないでください。

最初の誕生日のむし歯と哺乳ビンむし歯の写真
出典「丸森賢二監修, 鈴木祐司著:子どもの歯の健康1,赤ちゃんの歯,医歯薬出版,1981,P4,7,13」

2015年11月(歯科衛生士からひとこと)

「低位舌」ってご存知ですか?

普段意識することが少ない「舌」ですが、実は食べ物を味わう、かみ砕く、飲み込むときにとても重要な役割を果たしています。

「舌」は筋肉のかたまりです、しっかり動かさないと徐々に筋力が低下し、その重さに耐えられなくなり、下がった状態になります。これを「低位舌」と言います。

本来、人間の舌は図のように上あごに着いた状態が理想です。しかし、高齢者で舌の力が低下した方、指しゃぶりなどが原因で舌に癖がある方などは上あごに付かない方も多いようです。

「低位舌」になると、夜間鼻呼吸がしにくくなり、いびきをかく、口が渇くなどの症状が出やすくなります。

舌があごに付いていないあなた…「舌体操」で舌を鍛え筋力アップを図り、常に正しい位置を意識することで改善することが可能です。口を大きく開けて「あ・い・う・べ体操」「舌を左右、上下、ぐるっとまわして舌体操」様々な鍛え方があります。

今日からチャレンジしてみてください。

舌の正しい位置

舌の正しい位置と正しくない位置を表したイラスト

2015年10月(歯科衛生士からひとこと)

11月8日は「いい歯(118)の日」です。

ご自身の歯を大切にしましょう!

歯は一度失うと二度ともとにはもどりません。

虫歯菌と歯周病菌が歯をやっつけているイラスト

歯を失う大きな要因は、歯周病とむし歯です。

どちらも、お口からプラークを取り除くことが重要です。

プラークを取り除くために大切なことは歯みがきです。しかし歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけではなかなか取れません。

そこで、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具を使用するとより歯みがきの効果があがります。

今ある歯を失わず、8020を目標にがんばりましょう!

歯と歯ブラシ、歯磨き粉、歯間ブラシ、デンタルフロスのイラスト

2015年9月(歯科衛生士からひとこと)

乳歯は何本かご存知ですか?

生後6か月頃(個人差があります)から生え始め、2歳半から3歳頃に20本の乳歯が生え揃います。ちなみに永久歯は28本です(親知らずを含めると32本)。

そして、その乳歯が5から6歳の頃(年長さんの頃)から永久歯に生え変わり始めます。乳歯が抜けて生えてくる永久歯と乳臼歯の後方から生える大臼歯があります。その中で特に大切なのが6歳臼歯(第一大臼歯)です。一番の力持ちで王様と呼ばれるくらい重要な歯です。ただ、生えてくるときは一番背が低く、奥までしっかり磨かないとむし歯になってしまいます。

新しく生えた白くてきれいな歯、大人になってもそのまま持続できるように、毎日のお口のケア(9歳頃までは仕上げ磨きが必要です。)はもちろんのことですが、定期的に歯科検診&フッ化物塗布も受けられるとより一層良いですね☆

男の子が「イーッ!」と口を大きく開けているイラスト

歯がハブラシの上に乗って飛んでいるイラスト

2015年8月(歯科衛生士からひとこと)

バランスよく食べて丈夫な歯に!

歯は体の一部なので、基本的には食事からバランスよく栄養をとることが大切です。

歯を作っているおもな栄養素はカルシウムですが、その土台となっているのはたんぱく質です。歯や骨を強くするためには、カルシウムだけでなく、鉄やマグネシウム、リンなどの無機質も必要です。ビタミン類も口の中の粘膜を強化したり、カルシウムの代謝や石灰化を助ける効果もあるので、しっかり摂りましょう。

20歳を過ぎると歯周病になりやすくなりますが、脂質、たんぱく質、糖質が多く、ビタミン、ミネラル類が少ない食生活の方がなりやすいといわれています。特にビタミンCが不足すると、歯周組織の抵抗力が低下して、歯垢がつきやすくなったり、歯肉の健康にも影響します。

また、食物繊維の多いものをよく噛んで食べることも大切です。唾液の分泌が多くなり、むし歯予防にもつながります。

2015年7月(歯科医師からひとこと)

「甘いもの」の誘惑には、やっぱり注意

大昔から、人間にとって「甘味」が非常に魅力的であることは変わりありません。適度に甘味を取り入れて食生活を楽しむことは、健康的で楽しい「食育」の基本につながるものと言えます。ところが、甘味付けの代表である砂糖は、多くの方がご存知のとおり、カロリーが非常に高く、むし歯を作りやすい性質を持っています。

砂糖の持つこうした欠点を補うために、現在ではキシリトールやアスパルテームといった、色々な代替甘味料が開発されていて、市販のお菓子にも使われています。代替甘味料は便利で、使い方次第で食生活を豊かにしてくれることは確かです。しかし「むし歯にならない」と過信したり、安心しすぎて多量に摂取したりすることは、注意が必要です。

特にお子さんに「代替甘味料だから大丈夫」と、お菓子を大量に買い与えることはやめましょう。理由のひとつとして、そのお菓子が代替甘味料で甘いのか、砂糖で甘いのか、子どもにとっては区別がつかないことがあります。一度、何らかの甘味を知ってしまうと、気がつかない間にだんだんと砂糖の摂取が増える可能性があります。また、お菓子の摂取が多いと、栄養のバランスが崩れて食生活が乱れて、ひいては生活習慣が悪化する可能性もあります。

市販のお菓子を購入する時は、原材料の記載をよく読み、砂糖の量を抑えましょう。また、子どもに与える場合は、食べる量や時間帯をよく考えて、ダラダラと長時間、お菓子を口の中に含んでいる状況は避けましょう。

甘味はとても魅力的なものですが、よく考えながら上手に取り込んで、豊かな食生活を送りましょう。

2015年6月(歯科衛生士からひとこと)

味覚・味わいの発達のために…

≪五感への刺激が大切!≫

歯科関係団体の食育推進宣言に『人は食物を「口」から摂りこみ、十分に咀嚼することによって身体の栄養のみならず五感を通した味わいや寛ぎなどの心の栄養を得る。(平成19年6月)』とあります。食事をするときは、盛り付(視覚)や香り(嗅覚)で食欲を感じ、温度や歯ごたえ・舌触り(触覚)を楽しみ、“カリカリ、ポリポリ”とかむ音や食事中の会話を快く聞き(聴覚)、しっかりかんで料理の味(味覚)を堪能しています。五感それぞれの感覚を刺激することで、脳にたくさんの情報が送られ、美味しいと判断されます。美味しく食べる、味わうために、五感への刺激を工夫したいものです。

≪みんなで一緒に食べましょう!≫

子どもとおとなが一緒に食事をすれば、味、舌触り、温度、香り、色、形、音などについて「おいしいね」「つるつるだね」「冷たいね」「カリカリしているね」などとお互いの口の中の感覚や味わいを共感することができます。また、人との係わりから味わいの複雑さを知り、食事のマナーも身につけていきます。

家族一緒に食卓を囲み、楽しく会話をしながら食べることが『美味しさ』の秘訣かもしれませんね。

家族で談笑をしながら食事をしているイラスト

2015年5月(歯科衛生士からひとこと)

「笑うかどには福来る」

笑ったり、泣いたりいろいろな表情をしているイラスト

新緑のさわやかな季節となりました。新しい出会いが始まって約1か月が過ぎ、疲れが出てくる時期でもありますね。

最近、「表情とストレスは関係がある」と言われています。特に、「笑い」が健康に良い効果があることがわかってきています。

疲れてくると、ついつい表情がくもりがち・・・、誰ともしゃべりたくない・・・これでは、心もお口も不健康になります。

口角(唇の両端)のアップや、お口周りの体操は、すてきな笑顔をつくるために良い効果が期待できます。

まずは、鏡の前で笑顔のレッスン!お口を膨らませたり、へこませたり、大きく開けたりしてみましょう。また、割り箸を水平に軽く噛み、口の両端を割り箸のラインより上に持ち上げてみましょう。

「イ、イ、イ」と発音しながら行うと、やりやすいようです。

笑いの効果は、つくり笑いであっても免疫力がアップするなど、良い効果があると言われています。暗い気持ちの時こそ、すてきな笑顔で乗り切りましょう!その時に、口元から見える歯も、手入れを怠らないようにしましょう。

2015年4月(歯科衛生士からひとこと)

お子さんの中には、仕上げみがきを嫌がる子も多いかと思います。仕上げみがきを嫌がる原因の一つとして、感覚の過敏さがあげられます。感覚の過敏さがあると、多くの人が問題なく受け入れられる刺激でも、危険な刺激と感じ、拒否反応が出てしまいます。このような感覚の過敏さは、日常生活の中で様々なものに触れることで少しずつ減っていきます。しかし、この過敏さが強く残ってしまう子もいます。

このような時は、仕上げみがきを行う前に、頬などお口のまわりを触れることから始めたり、歯ブラシを使うのではなく、ガーゼを指に巻いてお口の中を拭いてあげたり、一度にすべての部位をみがくのではなく、今日は右上、明日は左上、次の日は左下というように分割をしてみがくことも一つの方法です。また、「10数えたらおしまい」というように、終わりを明示することも、お子さんの集中力を持続させるポイントとなります。

「歯みがきをしないと虫歯になる」と思い、必死になって無理に仕上げみがきを行おうとすると、かえってお子さんの歯みがき嫌いを助長させてしまいます。

歯みがきは、続けることが大切です。長く続けられるよう、保護者の方、お子さんにとって無理のない方法を見つけていきましょう。

2015年3月(歯科衛生士からひとこと)

ドライマウスとは?

だ液が少なくなり、口の中が乾いてしまう病気。口の中がネバネバする、口臭がする、食べ物が飲み込みにくい、しゃべりにくいなどの症状があります。

むし歯や歯周病を悪化させることもあります。

(原因)

  • 加齢によるだ液分泌量の減少、よくかまないで食べる、口呼吸、飲酒、喫煙などの生活習慣、精神的なストレスの影響もあります。
  • 体の病気や薬の副作用で口の中が乾燥することもあります。

(対処法)

  • よくかんで食べること、禁煙する、飲酒を控えることです。
  • ストレス解消をするなど生活習慣を見直しましょう。
  • だ液の分泌を促すマッサージ(耳下腺・舌下腺・顎下腺)をしましょう。
  • 舌を上下、左右に動かす舌体操も効果的です。

2015年2月(歯科衛生士からひとこと)

第一次反抗期2歳前後から3歳にかけての「イヤイヤ期」

イヤイヤ期は、こどもが成長していく過程で、とても大切なプロセスです。

でも、親にとっては、本当に大変です。思い通りならないと大泣き、子どもの主張に振り回され、仕方なく子どもの嫌がることは、避けるようになってしまいます。

歯みがきも、嫌がって口を開けてくれないことがあります。

でも、歯みがきは、続けることが大切です。歯みがき時の痛み・自由にならない時間・楽しくないなども原因かも。そんな時は柔らかな仕上げ用歯ブラシで、やさしい笑顔とソフトな歯みがき、楽しいこども歯ブラシ(歌がながれる・ライトが付き明るくなるなど)や、歯みがき仕掛け絵本、歯みがきの歌と動画などで楽しい時間にしてください。

さらに最後はたくさん抱きしめて、ほめてあげてください。

泣いている子どもをお母さんがあやしているイラスト

子どもが「イヤ!」、「イヤ!」とダダをこねているイラスト

2015年1月(歯科衛生士からひとこと)

歯と口とからだの病気の関係

近年、歯と口の病気は、身体全体のさまざまな病気を引き起こす誘因となることが分かってきました。特に歯周病は、歯周病菌や歯周病の場所でつくられたさまざまな物質が血流に乗って全身を回り、心臓病や脳卒中など命にかかわる病気に影響を及ぼすと言われています。

「病は口より入り、禍は口より出ず」ということわざがありますが、歯と口と全身の健康の関係は深いつながりがあります。

歯周病が全身に与える影響

  1. 誤嚥性肺炎
    歯周病菌などが誤嚥により肺に入り、肺炎を引き起こす。
  2. 糖尿病
    歯周病になるとインスリンが効きにくくなり、糖尿病は歯ぐきに炎症を起こしやすくなるなど悪影響を及ぼし合う。
  3. 脳梗塞
    歯周病菌などが動脈硬化を悪化させ、脳梗塞を起こしやすくする。
  4. 狭心症・心筋梗塞
    脳梗塞と同様、動脈硬化の悪化により起こる。
  5. 細菌性心内膜炎
    歯周病菌などが心臓の弁膜や内膜に付着して起こる。
  6. 関節リュウマチ
    歯周病の治療をすると、症状が軽くなることがある。

2014年12月(歯科衛生士からひとこと)

唾液(つば)の話

「つばをはく」「眉につばをつける」「涎(よだれ)」などと、唾液(つば)は、口から外へ出ると、あまり良いイメージではありませんね。しかし、唾液は、健康で過ごすためには、なくてはならないものです。

唾液は血液から作られ、唾液腺から口の中に分泌されます。約99.5%は水分で、残りの0.5%は、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの無機質とアミラーゼ、ムチンなどの有機質でできています。1日に約1から1.5リットル分泌されて、いろいろな作用があります。

消化作用
アミラーゼが、食物を吸収しやすくします
自浄作用
唾液が口の中をきれいにします
抗菌作用
リゾチームなどにより、口の中の細菌をコントロールします
粘膜保護作用
ムチンが、口の中の粘膜を保護します
緩衝作用
口の中のpHを中性に保ちます
再石灰化作用
カルシウムやリンが、歯の表面を再石灰化します

いろいろな効果が唾液にはありますが、年齢や病気、薬によって、唾液の分泌が低下することもあります。加齢とともに唾液の出る量が少なくなってきたと感じたら、唾液腺マッサージや、舌の運動をしてみましょう。また、よくかんで食べることや、酸味のあるものなどは刺激により分泌量が増えるので、試してみてください。

2014年11月(歯科衛生士からひとこと)

「プラークコントロールが大切」

虫歯や歯周病の原因となる歯垢(プラーク)を取り除いて、溜めないように歯みがきをすることをプラークコントロールといいます。

歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどを組み合わせて、プラークコントロールを行いましょう。

チワワが歯を磨いてもらっている写真

犬にとっても、歯みがきは効果があるようです。私の家ではチワワを飼っていますが、小さい頃から歯みがきをしているので、歯みがきを嫌がることはなく、歯みがきをすると気持ちよさそうにしています。先日、獣医師の先生に診てもらいましたが、歯石も歯肉炎もなく、お口の中の状況は良好といわれました。

ペットも含め、家族全員でプラークコントロールに取り組み、良好なお口で健康な毎日を過ごしたいものですね。

2014年10月(歯科医師からひとこと)

「食育ぬりえ」をやってみましょう。

今年も6月に、市内各区の保健所を中心に開催されたイベント「歯と口の1日健康センター」において、来場者の方に「食育ぬりえ」をお配りしました。

この「食育ぬりえ」は、毎日の食生活で野菜を食べた日にひとつずつ色を塗るようになっています。「歯と口の1日健康センター」は、市民の皆様の歯と口の健康づくりがテーマですが、歯と口の健康が健やかな食生活に必要であり、ひいては「食育」の考え方につながるという想いから、この「食育ぬりえ」をお配りしています。塗り絵なので、小さなお子様でも取り組みやすいと思います。

歯や口の健康は、むし歯のような症状があって気づきやすい部分ばかりが注目されがちです。なかなか気づきにくいですが、健やかな食生活には、歯と口の健康が必要です。この「食育ぬりえ」を利用することで、歯や口の健康と食育が結びつく良いきっかけにしていただければと思います。

11月8日は「いい歯の日」と言われています。6月の「食育月間」、「歯と口の健康週間」だけでなく、秋のこの時期にも、食育を意識してみてください。

2014年9月(歯科衛生士からひとこと)

ゆっくり噛んで食べ、エネルギーの消費を!

お腹が出ているおじさんのイラスト

米国の富豪実業家のホーレス・フレツチャーは、美食を尽くし、健康を損ね、それが肥満によることを自覚すると、徹底咀嚼により、健康を回復し、噛むことを科学的に検証し、1913年、「FLETCHERISM」として書物にまとめました。その27年後、昭和15年、九州若松の石炭商で篤志家としても高名な佐藤慶太郎がこれを「完全咀嚼法フレッチエリズム」と題し邦訳しました。佐藤も仕事一途に美食を尽くし、病弱な体をさらに損ない、深刻な病状を知るや、仕事から身を引き、徹底咀嚼に徹し、その効果を体験すると、養生の根幹は咀嚼にあり、と後半生を「咀嚼の行者」としてその価値を広く分かつことに努めました。

そして、フレツチャーの発表後、ほぼ100年にして、この5月「ゆっくり食べると食後のエネルギー消費量が増えることを発見」との報道がありました。この研究の冒頭には、噛むことの効果を提唱したフレツチャーが引用されており、噛むことの意義として、「食後の消化管の血流増加はエネルギー消費量の増加に関連」し、「ゆっくりよく噛んで食べることが良いとされる裏づけ」がなされたことになりました。噛むことが体内の種々組織・器官の血流量を増すことから、目立たぬながらも噛むことは、強力な健康づくり「運動」の一手と言えましょう。

「ゆっくり、よくかんで」と言いながらご飯を食べているイラスト

今、2013年の世界の肥満(BMIが25を超える「太りすぎ」)人口の割合が、1980年に比べ、成人では28%増加し、20歳未満の子どもでは47%増えており、これを憂え「すぐに有効な対策をとるべきだ」との報道(5月30日)もありました。「ゆっくり噛んで食べる」研究は「咀嚼(そしゃく)を基盤にした減量手段の開発につながる」とまとめております。

日常、噛むことの大切さを意識しつつも、食事になると、ついつい、意識して噛むことを忘れ、急ぎ食べになることが多いことでしょう。噛むことの大切さを意識するように、そして、時間はかかりますが、健康づくりに役立つ日々の「噛む食生活」「噛ミング30」を改めて考えてみましょう。

2014年8月(歯科衛生士からひとこと)

災害時におけるオーラルケア

災害時のオーラルケアは、お口の健康だけでなく、全身の健康にも影響します。高齢の方では、誤嚥性肺炎が起こりやすくなるので特に注意が必要です。阪神淡路大震災では、震災に関連した肺炎で200人以上の方が亡くなられています。

緊急時は断水となり、水がとても貴重になります。そこで、少量の水で行える歯みがきの方法をご紹介します。

  1. 水(30ml)をコップに準備します。
  2. その水で歯ブラシを濡らしてから口の中へ入れ、歯みがきを開始します。
  3. 歯ブラシが汚れてきたら、ティッシュペーパー(あればウェットティッシュ)で歯ブラシの汚れを拭き取りながら歯みがきを行います。
  4. 最後にコップの水で2から3回に分けてすすぎます。

また、非常持ち出し袋の中に、歯ブラシと洗口液を入れておくと大変役立ちます。
ぜひ、この機会に非常持ち出し袋の内容を見直してみてください。

ハブラシのイラスト

2014年7月(歯科衛生士からひとこと)

ヒトはいつからお口をきれいにしているの?!

健康で楽しい毎日を過ごすためには、お口をきれいに保つことが大切ですが、ヒトはいつからお口をきれいにしていたのでしょうか?実は10万年前です! 10万年前のネアンデルタール人の化石を調べると、歯に縦筋が見られます。これは楊枝で歯を強くこすったからできたものだと考えられています。

原始人が骨付き肉にかぶりついているイラスト

また、歯みがき粉はなんと古代エジプトの時代にすでに「練り歯みがき」や「粉歯みがき」があったそうです。日本では塩で歯をみがいていましたが、歯みがき剤として商品化されたのは江戸時代とされています。

ちなみに、既婚女性などの歯を黒く染めるお歯黒ですが、お歯黒をきちんとつけるためには歯垢を取り除かなければならず、お歯黒の成分にもむし歯を防ぐ成分が含まれており、むし歯予防にはかなりの効果があったそうです。

現在の歯ブラシにはいろいろなタイプのものが販売されています。
お子さんに歯が生えてきたら、「仕上げみがき用」歯ブラシで優しく触れて、慣れる程度から始めてください。お子さんがスプーンを持てるようになったら「乳歯期用」歯ブラシを使って自分みがきをさせた後、保護者による仕上げみがきをしてください。「乳歯期用」歯ブラシには喉をついてケガをしないように安全プレートが付いた歯ブラシも販売されています。

歯みがき剤にも多くの種類があるので、子ども用、むし歯予防、知覚過敏用、歯周病予防など目的に合わせて選んでいただきたいと思います。

男の子と女の子が歯ブラシを持って口を開いているイラスト

2014年6月(歯科衛生士からひとこと)

ほ乳びんむし歯(ボトルカリエス)って知っていますか?

歯が生えてから哺乳瓶やマグマグなどでミルクをはじめ砂糖が含まれる飲み物をダラダラと一日何度も飲む習慣がついたことで、生えたばかりの歯が多数むし歯になることをいいます。ひどくなると歯が溶けてしまい根っこ(歯根)しか残っていない状態になります。

特に、唾液の分泌の少ない就寝中はむし歯になりやすいので寝る前に水やお茶以外の飲み物を飲む習慣が残っているとむし歯のリスクは上がります。

子どもは本能的に甘い味が大好きです。母乳やミルクもほんのり甘さがありますよね。

しかし甘味には味覚の学習効果が少ないので、甘味に慣れた食生活を続けると味覚の幅が広がらず味覚に対して鈍くなりやすいと言われています。

スポーツ飲料や果汁や乳酸飲料などは意外と砂糖(又は果糖)も多くむし歯になりやすい飲み物です。これらをお茶やお水の代わりに与えるのはとても危険です。

どうしても必要な時にだけの飲み物にしたいものです。1歳すぎたらコップへの移行と寝る前の飲み物はお茶や白湯等にしましょう。

2014年5月(歯科衛生士からひとこと)

歯科治療におけるレントゲンって影響は?

歯科治療において、レントゲンを必要に応じて撮影します。どれくらいの放射線量なの?妊娠中は撮影してもいいの?と心配なこともあるかと思います。歯科で使用されるX線は、ごく微量なので心配することはありません。

参考
歯科治療におけるレントゲンの影響について
方法・部位など 放射線量
(mSv)
歯科(口内法エックス線撮影法、小さなレントゲン写真) 約0.01から0.02
歯科(パノラマエックス線撮影法、大きなレントゲン写真) 約0.02から0.03
CT撮影(頭部) 約0.49
東京・ニューヨーク間を飛行機で往復した時の放射線量 約0.2
日本人が1年間に自然界から受けるとされている放射線量 約1.1
ガラパリ(ブラジル)の人が1年間に自然界から受けるとされている放射線量 約10

(沖縄県歯科衛生士会 妊婦歯科保健指導マニュアルより)

妊娠中の歯科治療においても、歯科のX線撮影時の放射線量はごく微量であること、腹部から離れていること、さらに防護エプロンの着用によって胎児に直接X線が当たることはないことから危険度は無視できるレベルになると言われています。かかりつけの歯科医師に相談し、安心して治療を受けましょう。

歯が歯科治療を受けているイラスト

2014年4月(歯科医師からひとこと)

今年も6月4日から6月10日まで、「歯と口の健康週間」が全国で行われることになりました。今年の標語は「歯と口は 健康・元気の 源だ」です。健康・元気のためには、食事を美味しく食べることができて、栄養を摂ることが基本にあります。野生の動物であれば、歯を失うことは、生きていくために必要な栄養が摂れないことにつながり、文字通り「致命的」とも言われます。

食事を咬むために必要な「歯」は非常に硬い組織ですが、残念なことにすり減るなどしてその一部を失っても、基本的には再生が見込めません。そこで、私たちヒトは、生活習慣を整えてむし歯・歯周病を予防したり、これらの病気を歯科医師や歯科衛生士などの専門家の手助けを受けて予防したりといった、智恵を持つことができました。

日常の暮らしでは、食事をとるときに「栄養を摂っている」や、「健康・元気の源だ」とはなかなか感じません。まして、そのためには歯や口の健康が必要とは気づかないと思います。

歯と口の健康が、全身の健康に直結していることは、明らかになっています。世代を問わず「食育」を具体化して、より健康になるためにも、食事のために歯と口の健康が重要であることを意識してみましょう。

コラムへ戻る