なごや食育ひろば

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コラム

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歯科医師・歯科衛生士からひとこと

2020年4月(歯科衛生士からひとこと)

オーラルフレイル

「オーラルフレイル」という言葉を耳にしたことがありますか?

オーラルフレイルとは、滑舌の低下や食べこぼし、飲食時の「むせ」など、ほんのささいなお口の衰えをきっかけにお口の機能が低下し、食べる機能の障害へと進む現象を指し、これが、体力・筋力の低下を招き、全身のフレイル(虚弱)につながるという新たな概念です。

簡単に言えば、「ちょっとした口の衰えをそのまま放置すると危険ですよ!」「口の衰えが原因で体力や筋力の低下を起こしますよ!」ということです。

栄養を十分摂取するとともにおいしく食事を楽しむには、とにかく“食べられるお口を維持すること”が非常に重要です。

その為には、むし歯・歯周病の予防などの「歯の喪失予防(歯を残すこと)」と同時に、かみ砕く(咀嚼)、飲み込む(嚥下)といったお口の機能を衰えさせない“口腔機能維持”の両輪で取り組んでいく必要があります。

日頃からかかりつけ歯科医院を持ち、定期的な歯科検診を心がけるほか、お口の周りの筋肉をよく動かす早口言葉やマッサージ等の取り組みを行うなど、お口の健康維持に努めましょう。

男性の歯科医師と女性の歯科衛生士のイラスト

2020年2月(歯科衛生士からひとこと)

口元に注目してみましょう

日常的にお口がぽかんと開いていることはありませんか。

お口を閉じることは、食べ物を口に取り込むとき、噛んで飲み込むとき、発音するとき、いずれにおいても必要です。お口がぽかんと開いている状態では、口周りの筋力の低下(口唇閉鎖不全)や口呼吸が習慣になっていることがあります。

お口が日常的に開いていると、口呼吸により口の中が乾燥し、むし歯や歯周疾患になりやすくなります。また、口周りの筋力が低下することで歯並びに影響を及ぼすこともあります。

お口がぽかんと開いてしまう原因としては、鼻炎などの鼻の疾患や口腔習癖などがあります。鼻の疾患が原因で鼻呼吸が難しい場合は、耳鼻科を受診しましょう。そのほかに、しゃぼん玉などの口を使う遊びを取り入れ、口を閉じる筋力をつけましょう。

シャボン玉、あっかんべー、顔じゃんけんなど口を閉じる筋肉をつける方法が載ったイラスト

唇を使う
シャボン玉をする、ラッパのおもちゃを吹く、ストローで吸う・吹く(細いのがオススメ)
舌を使う
あっかんべーをする
口の周りをすべて使う
顔じゃんけん(グー・チョキ・パー)をする、ぶくぶくうがいをする
歯みがきも頬や口周りの刺激になるよ!

名古屋市リーフレット「よくかめるお口の育て方」参照

2019年12月(歯科衛生士からひとこと)

「ブラキシズム」ご存知ですか?

「ブラキシズム」とは、“はぎしり・くいしばり・かみしめ”などをさします。

ブラキシズムは、歯や歯周組織(歯ぐきなど)、顎関節の雑音や痛み、頭痛や肩こりなど、 口腔以外にも影響することがあります。

人が無意識下において、この動作を行う理由とメカニズムに関しては、未だ明らかにされておらず診断も難しいですが、特徴的な症状がいくつかありますので確認してみましょう。

セルフチェック

プレゼント用の箱から頭を出している歯のイラスト

  • 歯がすり減ったり、欠けたりしている。
  • 冷たいものがしみる。
  • 頬の内側・舌の側面に歯の痕がついている。
  • 上下の歯が、いつもかみ合っている(接触している)。
  • 口を開けると、痛む・音がする。
  • 口が開けにくくなった。
  • 原因不明で、頭・耳・肩に痛みがある。
  • 歯周病が著しく悪化してきている。
  • 以前に比べ、口の中の骨が隆起してきている。
  • 詰め物がよく取れたり、割れたりする。

※愛知県歯科医師会「歯科からのメタボ対策」参考

該当する項目が多くあれば、かかりつけの歯科医師や歯科衛生士に相談してみましょう。 マウスピースを使用するなどで症状を軽減させることもあります。

ブラキシズムは癖(くせ)として無自覚である場合が多く、自分では気づきにくいもので すから、定期的に歯科受診をし、お口の中の状況を管理していければ良いですね。

2019年10月(歯科医師からひとこと)

平成は8020運動と共に…

平成元年、8020運動(高齢になっても楽しく食事を取るため20本以上歯を保つ運動)は始まりました。愛知県歯科医師会は、この運動を盛り上げるべく平成元年から表彰事業を始め、平成元年度241人から平成30年度8,102人を表彰するまでに発展させました。

さらに8020達成者は、健康状態においても良い結果であったと報告しています。

令和を迎え愛知県歯科医師会が作成したユニークな8020運動ポスターを紹介します。

8020達成者の健康状態
8020達成者の健康状態をグラフで表したポスターの画像
まだアノ方は、現役だ。
おせんべいが一部食べてあるポスターの画像
たくあん、ポリッ、ポリッ、ポリッ、ポリッ、ポリポリッ、ポリッ、ポリッ、ポリッ、ポリッ、ポリポリッ、………。
たくあんが半分輪切りされているポスターの画像
スルメかめる、幸せ者。
スルメイカにご祝儀袋の水引きが付いているポスターの画像
まめに長生き、80年。
豆のポスターの画像
自慢は、仲の良さと20本の元気な歯です。
老夫婦がベンチに座っているポスターの画像
かじれるよろこび。
焼きとうもろこしのポスターの画像
8020をメザシ
メザシ一連のポスターの画像
明るい見とおし8020
れんこんが半分に切られているポスターの画像
朝から元気8020
バスケットに盛られたフランスパンとコーヒーのポスターの画像
歯寿8020でよろコンブ
コンブがのし紙に巻かれているポスターの画像
コワイものなし、8020
ゆでだこが鉢巻きをしているポスターの画像
いくつになっても焼もちを…
焼もちのポスターの画像
いくつ読めますか? いくつ噛めますか?
「林檎」や「河豚」など難しい漢字がクロスワード風に載っているポスターの画像
「歯が立たない」なんて言わないで。
「唾」や「舌」、「唇」など口周辺にまつわる漢字が載っているポスターの画像
8020の金メダリスト
人形で作られたおじいさんが重量挙げをしているポスターの画像
元気な暮らしは歯の健康から
人形で作られた老夫婦が手を繋いで仲良くしているポスターの画像
すてきな笑顔、楽しい会話、美味しい食事
8020と書かれた雲と家族が写っているポスターの画像

2019年8月(歯科衛生士からひとこと)

キシリトールをご存じですか?

“キシリトール”をご存じですか?

最近ではキシリトール配合のガムやタブレットなど様々な製品が売られているので、目にしたことがあると思います。

キシリトールは、白樺などの樹木からとれる天然の甘味料で、自然界では多くの野菜や果物に含まれています。

むし歯は口の中にいる細菌(主にミュータンス菌)が、糖分を餌にして酸を発生させることで起こります。しかし、キシリトールはむし歯の原因となる酸を発生しない甘味料であり、むし歯の原因となるミュータンス菌の活性を弱める働きがあることがわかっています。

しかし、市販されているキシリトール製品の中には、砂糖のようにむし歯の原因となる甘味料が入っている場合もあります。パッケージの表示成分をよく見て、砂糖が含まれていないことを確認し、キシリトールが出来るだけ高濃度で含まれている製品を選びましょう。

※キシリトールは食べすぎると、お腹を壊すことがあります。ご注意ください。

キシリトールを食べるだけで完璧なむし歯予防が出来るわけではありません。キシリトールの摂取と併せて、毎日の歯磨きや定期的な歯科受診で歯の健康を守りましょう!

女の人がキシリトールのボトルガムを指さして、「甘味料キシリトール100%」と言っているイラスト

2019年6月(歯科衛生士からひとこと)

歯みがき事故に注意しましょう

乳幼児期の歯みがきについて「自分でみがくのは好きなんですけど、仕上げをされるのは大嫌いで…」とお悩みの保護者の方は、非常にたくさんいらっしゃいます。お子さんが自分で歯みがきをすることは、生活習慣を身につけたり、手の運動機能の発達を促したりと、様々なメリットがあります。しかし、使い方に気をつけないと、ときに重大な事故につながってしまうこともあります。

東京消防庁の調査では、歯ブラシによる事故での救急搬送人員は1から2歳児が大半を占めていることがわかりました。また、その原因としては、歯みがき中に歩き回るなどして転んだというものが6割以上でした。

就学前のお子さんが自分で歯みがきをするときには、歯ブラシを口に入れたまま歩き回らないよう保護者の方から注意をし、歯みがきのとき以外は歯ブラシを持たせないようにしてください。また、お子さん自身での歯みがきだけでは汚れが十分に落とせないため、最後に必ず保護者の方による仕上げみがきをしてあげてください。

子どもが歯みがきをしているイラスト

2019年4月(歯科医師からひとこと)

食育も早期発見・早期治療で

「食育」の世界を、大きく二つの視点からとらえるとすると、「食べもの」と「食べ方」に分けることができます。このうち、歯科医師・歯科衛生士は「食べ方」に関するプロフェッショナルです。

歯科医療の分野では、多くの種類の病気や、症状を扱います。この中でも、治療や予防が比較的簡単で、効果がわかりやすいものがあれば、一方で、治療が困難で、いわゆる「治らない」「ずっとつきあっていくしかない」ものもあります。

食育の考え方に戻って、「食べ方」については幼い頃から身についた習慣や悪いクセ(専門用語で「悪習癖」(あくしゅうへき)といいます。)が影響する場合があります。

この、習慣やクセというものは、本人のおかれた環境などにもよりますが、非常に治すことが難しい、あるいは時間がかかる場合が多くあります。

日頃から食育を意識していない方でも、少しでも「食べ方」が気になって、それが歯や、口の周りの動き方に原因がありそうだと思ったら、早めに歯科医院に相談しましょう。

歯科治療も最終的には、食育に密接な関係があります。長い人生、毎日の豊かな食生活のために、食育の軌道修正も「早期発見・早期治療が大切」と言えるのではないでしょうか。

2019年2月(歯科衛生士からひとこと)

かめるお口は姿勢も大切

食べたり飲み込んだりする際には、頭位、体幹、呼吸の安定のため、体の軸をまっすぐにし、足の裏が床にしっかりついた姿勢が大切です。

足の裏が床にしっかりつくことで上半身が安定すると鼻呼吸が促され、食事に集中でき、食べたり飲み込んだりすることが行いやすくなります。また、この姿勢ができるようになると一口量を覚えるために効果的な「手づかみ食べ」が行いやすくなります。

下の図を参考に普段の食べる際の姿勢についても気をつけるとよいでしょう。

子どもが食事をするときの姿勢についてのポイントを説明しているイラスト

机は肘が直角にのる高さにしましょう
机とお腹の間
机とお腹の間はこぶし1つぶんを目安にイスを置きましょう
背中
垂直よりやや前傾した姿勢が保てるようにしましょう
※猫背にならないよう注意!
足の裏
足の裏が床にしっかりつくとかむ筋肉が働きやすくなります

2018年12月(歯科衛生士からひとこと)

「お食い初め(おくいぞめ)」「歯固め(はがため)」

平安時代からはじまったとされる「お食い初め」は、赤ちゃんが生まれてから100日目に「一生涯、食べることに困らないように」との願いを込めて行う儀式です。また、これから赤ちゃんに歯が生え始める時期でもあるため、歯が丈夫になるようにといった思いが込められ「歯固め」といった呼び方もあります。

お食い初めといっても、生後100日程度の赤ちゃんは実際に食べることはできないので、食べさせる真似をするだけです。料理は焼き魚、吸う力が強くなるようにとの考えから吸い物(汁物)、煮物、香の物、赤飯、紅白のお餅、さらに「歯が丈夫になるように」と歯固め石を供えます。食べさせる真似をした後に、歯が生えたことを喜び石のように硬い丈夫な歯になるようにとの願いを込めて、歯固めの石を歯茎に当てます。

食べることは生きていく上では欠かせない事であり、子どもの成長に「食」は切り離すことができません。子どもの本質は、環境により大きく変わってきます。五感をつかった食べ方、バランスのよい食事、多くの食材に慣れ親しむなど、昔からの文化を大切にし、「食べさせる」よりも「食べる動きを引き出す」といったように子どもの発育にあわせた食べ方を支えてあげられるといいですね。

赤ちゃんが料理を前に喜んでいるイラスト

2018年10月(歯科衛生士からひとこと)

発達段階別の、指しゃぶり対処法

指をしゃぶっている子どものイラスト

指しゃぶりには「見守るだけでよい時期」「やめられるようはたらきかける時期」と、それぞれの子どもの発達段階に合わせた対処法があります。まずは子どもの年齢、指しゃぶりの状況、周囲の環境、指しゃぶりの継続時間とその時の様子などをしっかり観察し、どういった対処法が最も適しているのかを探ることから始めてみましょう。焦らず、根気よく、お子さんと向き合っていきましょう!

1)乳児期
乳児期の指しゃぶりは子どもの発達にとって意義の大きいものです。赤ちゃん時代の指しゃぶりはやめさせようと考えないでください。あまり神経質にならなくても大丈夫ですので、見守ってあげてください。
2)幼児期前半(1から2歳)
子ども自身の発達や環境などの状況を考慮せずにやめさせようとする対応、きつく叱る、手を縛るなどの恐怖によるやめさせ方は、爪噛みなどの別の癖に結びつくこともあります。またかえって指への執着やこだわりを強く持ってしまう子どももいます。

子どもの生活リズムを整え、野外での遊びや運動などで十分にエネルギーを発散させ、一緒におしゃべりを楽しむ、手を使った遊びに誘うというような対応を心がけるうちに、指しゃぶりの頻度は少しずつ確実に減っていくことでしょう。
3)幼児期後半(3から6歳)
自意識の発達や社会性の発達によって、自分から指しゃぶりをやめようとする子どもも出てくる時期です。指しゃぶりによる口腔の形態・機能への影響が出やすくなる時期にもなりますので、やめようとする意識を育てていきましょう。
*指しゃぶり卒業の“きっかけ”をつくろう
指しゃぶりの影響が今後どのような形で出てくるのかを絵本や写真などを交えながら説明したりして、やめるきっかけを与えてみてください。目で見て明らかに分かるものの方が子どもの理解も深まり、「やめよう」という意識につながる筈です。
*具体的な目標を設定しよう
子ども自身の努力で達成できるような、無理のない目標を設定してみます。最初は比較的簡単に達成できる低めの目標を設定し、少しずつ目標を高くしていきます。それを1つずつ達成できた時の満足感や、家族に褒められる喜びが、子どもの自信とやる気につながっていくことでしょう。「今日1日我慢できたら、日曜日にみんなでお出かけしよう」「明日も我慢できたら、大好きなハンバーグを作ろう」などご褒美を決めておくのも、前向きな気持ちをよりいっそう引き出すことができるでしょう。

井上美津子「指しゃぶり、おしゃぶりQ&A」より

2018年8月(歯科衛生士からひとこと)

むし歯と飲み物について

暑い日が続くと冷たいものがとても好まれます。中でも熱中症を予防するためには水分補給は欠かせません。ジュース等の糖質の入った飲み物、お茶やお水等の糖質の入っていない飲み物と様々なものがあります。

飲み物の種類や飲み方により、涼しくなった頃に、むし歯ができてしまったという状況にならないように、気をつけましょう。

特に味のある飲み物では、冷たいと甘みの感じが少なくなるため、実は大量の糖質を含んでいても感じないことがあります。

糖質の摂取量が多いと、むし歯だけでなく、健康管理の上でも、悪影響を与えます。水分補給には、味のない飲み物をたくさん飲むように心がけましょう。

子供が虫歯を痛がってタオルでほっぺを押さえながら泣いているイラスト

2018年6月(歯科衛生士からひとこと)

歯と歯の間をお掃除しましょう

毎年6月4日から6月10日は歯と口の健康週間です。歯を健康に保つため、皆さん歯磨きをしているかと思いますが、歯ブラシだけでは歯の汚れは60%程度しか取れていません。歯ブラシの届きにくい所には汚れがたまってしまいますので、歯と歯の間をお掃除する必要があります。歯間清掃道具はデンタルフロスと歯間ブラシがあります。

デンタルフロスは糸タイプとホルダータイプがあります。糸タイプの方が経済的な場合が多いですが、慣れていない方はホルダータイプが良いでしょう。(子供用もあります。)歯と歯の間に物がはさまるように感じてきた方は歯間ブラシがおすすめです。サイズも様々ですので、かかりつけの歯科医師、歯科衛生士にご相談の上ご使用ください。

歯と歯ブラシ、フロス、歯間ブラシ、歯磨き粉のイラスト

2018年4月(歯科医師からひとこと)

むし歯菌の感染について

有名芸能人一家に赤ちゃんが誕生して、成長を追いかける番組の中で、おじいちゃんが孫を抱きあげてほっぺにチューをしようとすると、それを見た若いパパが、むし歯菌がうつると叫んでいました。

皆さんお気づきになられましたか?これは、むし歯予防における新しい考え方を反映しているシーンなのです。

生まれてきたばかりの赤ちゃんの口の中にむし歯菌は存在しません。歯が生えてきて初めて、口の中にむし歯菌が検出されます。むし歯菌は歯のような硬いところにしか住めないからです。歯が生え始める生後6か月頃から身近なお母さんなどの唾液から感染して赤ちゃんの口の中にもむし歯菌が存在するようになります。特に19か月(1歳7か月)から31か月(2歳7か月)までの間がもっともむし歯菌の感染を受けやすい時期となります。

この時期のお子さんの口の中は、前歯がすでに生えそろい、奥歯が生え始めてきて生えそろうまでの時期にあたります。ここでしっかり感染予防ができれば、その後のむし歯になるリスクは減少すると報告されています。

むし歯予防のためには、お母さんを中心とする近親者が未治療のむし歯などがあれば、まずそれを治療し、お口のケアに取り組み、口の中のむし歯菌を減らしてから赤ちゃんと接するようにしましょう。

お母さんにだっこされている赤ちゃんと歯磨きをしている近親者のイラスト

2018年2月(歯科衛生士からひとこと)

歯医者さんとのつきあい方

歯医者さんというと、歯を削るキーンという音が思い浮かんで、できれば行きたくないという方も多いのではないでしょうか?そのため少しくらいの痛みなら我慢してしまいがちですが、それが歯の状態をどんどん悪くしてしまっているのです。

状態が悪化すれば、それだけ治療も困難になり、痛みも多くなります。この悪循環を断ち切るためには、自分自身の歯に対する認識を高め、積極的に治療を理解しようとする気持ちが必要です。

歯医者さんに対する恐怖の1つとして、目を閉じて口を開けている間に、どんな事をされるのかわからないという事がありませんか?こうした事を予防するためにも、治療の必要性、手順を歯医者さんに遠慮なく質問して納得されてから治療を始めてもらいましょう。

治療中に痛みや不快感があったら、決して我慢する必要はありません。どうしても嫌な時は、きちんと説明すれば無理やり治療されることはないはずです。気持ちの準備ができたときに、もう一度治療を受けに行きましょう。

歯科で問診を受けている人のイラスト

2017年12月(歯科衛生士からひとこと)

【食品による窒息事故に気をつけましょう!】

もうすぐお正月!お正月は、家族や親戚、お友達とワイワイ賑やかに食事をする機会が多いですね。でも、大人がおしゃべりに夢中になっている間に、お子さんが喉に詰まらせて…なんてことになっては大変です。14歳以下の食品による窒息事故は、6歳以下に集中しており、0から1歳児が全体の60%以上を占めています。

窒息の原因になる食品は、菓子類(マシュマロ、ゼリー、団子、あめ)、果物類(リンゴ、ぶどう)、パン(ホットドッグ、菓子パン)、肉類、餅、寿司、チーズ、そうめん等々、日頃食べる機会の多い食品です。乳幼児のお口は、歯が少なく食べる機能が未発達な状態です。楽しく安全に食事をするために以下の事に気をつけましょう!

  1. 食事をするときは、一人にせず、誰かがそばで見守りましょう。
  2. 食べることに集中できる環境を作りましょう。
    おもちゃで遊びながら、テレビを見ながら、歩いたり走ったりしながら…など「ながら食べ」はやめましょう。また、おむつを替えるときなど寝転んだまま食べさせないようにしましょう。
  3. 食べやすい大きさにして、一口量は、無理なく食べられる量にしましょう。
    口いっぱいに詰め込むと舌を動かしにくく、噛むより丸飲みしやすくなります。「モグモグ、カミカミ」と声をかけゆっくりよく噛む習慣をつけましょう。噛むことで唾液が増え、美味しく安全に食べられます。
  4. ピーナッツなどナッツ類や豆、あめやグミなど、固いもの、口の中で溶けるまでに時間のかかるものは、3歳頃までは控えましょう。
  5. 食事中に驚かせたり、急がせたりしないようにしましょう。食事中に眠くなっていないか、きちんと座っているか姿勢にも注意しましょう。

家族で談笑をしながら食事をしているイラスト

2017年10月(歯科衛生士からひとこと)

「フレイル」って何?

「フレイル」あまり聞きなれない言葉かもしれません。これは日本老年医学会が2014年に提唱した言葉で「高齢になって筋力や活力が衰えた状態」の事を言います。これは健康と病気の「中間的な段階」であり、75歳以上の高齢者はこの段階を経て徐々に要介護状態に陥っていくといわれています。

しかし、気づいた段階で適切に対応すれば改善は可能です。特にフレイル状態になる前の「プレ・フレイル」の段階で早期に気づきその状態を維持することが健康長寿につながると考えられています。

フレイルを表した図
(東京大学 高齢社会総合研究機構・飯島勝矢:作図)

「フレイル」のサインは以下の3つ、気づいたら早めに予防しましょう。

1.食べることの偏り、お口の機能のおとろえ「オーラルフレイル」
◆よく噛んでしっかり食べる、お口の体操で機能アップ
2.歩く、体を動かすなど運動の機会が減る
◆今より10分多く体を動かすなど運動の機会を増やす
3.ボランティア、サークル活動など外出、社会参加の機会が減る
◆自分の培った経験を活かすなど、自分に合った活動を見つけ社会参加する

2017年8月(歯科衛生士からひとこと)

良い歯を育てる食生活

女の子がお菓子を食べているイラストとアイス、ケーキ、ドーナツと虫歯菌のイラスト

夏は、ついつい冷たいジュースやアイスに手が伸びる季節ですね!

自動販売機やコンビニが、少し歩けば目につくので、お子さんの熱中症予防に…と、気軽に買って飲ませがちですね。しかし、清涼飲料水やアイスには、 たくさんの砂糖が含まれているので、むし歯や肥満、食欲不振につながります。

特に乳幼児期は離乳食を食べない、ご飯を食べないお子さんが、意外と多量のジュースを飲んでいたり、フルーツ味の棒アイスを1日中口にくわえていたりといった話を耳にします。清涼飲料水の多くは、さわやかな飲み心地にするために酸性になっています。

そして、その酸っぱさを和らげるために大量の砂糖が入っているのです。ノンシュガーであれば、むし歯はできにくいですが、酸は歯のミネラル成分を溶かし出してしまうので注意が必要ですね。甘くて冷たい飲み物、食べ物は時間を決めることが大切です。

2017年6月(歯科衛生士からひとこと)

唾液の作用

唾液は、食べる、飲む、話す機能を営む上でからだの機能維持に重要な働きをします。

☆抗菌作用
口は空気や食べ物が常に入り雑菌にさらされています。
唾液には細菌増殖を押さえる「抗菌作用」があります。
唾液のイラスト
☆消化作用
ごはんやパンなどのデンプン質を糖に変える「消化作用」があります。
☆粘膜保護作用
唾液には「ムチン」というタンパク質が含まれています。
硬い食べ物が接触しても傷がつかないように粘膜を保護します。
☆食塊形成作用
唾液の「ムチン」は食塊形成、摂食・嚥下に重要な働きをしていて、少なくなると誤嚥の原因になります。
☆修復作用
唾液には傷を治す因子や、脳神経の老化を防止する因子が含まれています。
☆自浄作用
食べかすを洗い流す作用があります。睡眠中は唾液の分泌が少なくなり、自浄作用が低下します。

このように唾液は殺菌・洗浄作用で口や歯の病気を予防し、食べること、飲み込むこと、会話をしやすくします。

2017年4月(歯科医師からひとこと)

生活習慣とお口の健康

ほとんどの生物の生命活動は、「概日リズム」という約24時間の周期でおこる体内リズム(体内時計)によって支配されていることが知られています。このリズムを司っているのが、時計遺伝子と呼ばれる遺伝子です。血圧や体温など様々な体の働きに「概日リズム」があり、夜更かしなどの不規則な生活によってこのリズムが乱れると、様々な病気の発症につながっていくと言われています。つまり、このリズムを正常に保つことが体の健康にとってとても重要です。

お口の健康と「概日リズム」の働きで大切なことは唾液の分泌です。唾液は、口腔内のpHを酸性に傾くことを防ぐ、食べかす等が口腔内に残りにくくする、歯の修復を促す、細菌の増殖を防ぐ、消化・吸収の促進などの大切な働きがあります。「概日リズム」の乱れは、唾液の分泌の乱れにつながり、歯周病や虫歯などを助長させてしまう危険があります。

よって、生活習慣はお口の健康に深く関わっていますので、規則正しい生活を心がけ、歯周病やむし歯を予防していきましょう。

2017年3月(歯科衛生士からひとこと)

災害時の子供のお口の健康について

備え再点検

熊本地震では、被災地の物資不足がなかなか解消されず、不便な暮らしが続いたそうです。自治体が用意した備蓄物資は、被害が甚大で足りなかったようです。

避難生活に備えるためには3日分を目安に!

乳幼児のために持ち出し袋に入れておくとよいもの、また普段からの持ち歩き品(外出先で被災した時役立ちます)

・母子健康手帳・保険証(コピー)・紙おむつ・おしりふき・抱っこひも
・おもちゃ・飲料水(ミルク用 軟水)・粉ミルク・プラスチック製ほ乳瓶
・離乳食(開始している場合)・肌着・着替え・タオルやガーゼのハンカチ
・歯ブラシ

お口の健康を守るために

長期の避難所生活では、アメやチョコレートなどの砂糖の多い甘いお菓子、お茶やお水の代わりにジュースやイオン飲料(酸性飲料)を飲む機会が多くなり、むし歯が一気に増えることもあります。そのためにも口腔ケアは必要です。

  • 歯ブラシ、口腔ウエットティッシュ(ノンアルコール)などを使用して、保護者による仕上げみがきが大切です。
  • 食後に緑茶によるうがいや、キシリトールのタブレットを使用することも、むし歯予防になります。

歯ブラシ、口腔ウエットティッシュ、キシリトールガムと防災リュックのイラスト

2017年2月(歯科衛生士からひとこと)

三つ子の魂 百まで
-生涯を通じて口と歯の持つ機能を育て向上するために1)

楽しそうにお弁当を食べている保育園児のイラスト

三つ子の…

「生後3年間に受けた、しつけや教育、人間に必要とされる情操教育は、その後100歳になっても、その根拠は変わらない」ことを言い表したものとされます。言われ始めの時期は、平均余命80歳の今よりも前の時代で、「到達する見込みの乏しい100歳になっても変わらぬほど持続する」ことを意味します。

魂とは…

3歳とはどのような年齢なのでしょうか?親だけを向いていた内向きの人間関係が、親を背景に外向きの人間関係を求めるようになり、行動範囲も広がり、自我と社会性を高め始め、独り立ちへの芽生えの時期と言われます。生後3年は、親とともに周囲の大人や子供が育て、しつけと情操教育の「子育ち」の場となります。

歯科の立場から見ると、生まれた時には歯が無く、歯を必要としない栄養源である母親の母乳で育ち、生後6か月頃からの生歯とともに、離乳食へ。そして、もぐもぐ、ごっくんと、噛むこと、飲み込みを習得して、食を味わい3歳へ。親は、間食、偏食、小食(孤食、個食)などの食の育ちに不安を覚え感じながら、砂糖を抑え、ブラッシングの習慣づけを基本に、むし歯予防をしつけ、子が育ち3歳へ。これが歯科版の魂です。

名古屋市の子供の歯科保健状態は、平成元年の1歳6か月児は、4.17%がむし歯に罹り、1人平均0.12本のむし歯数でした。3歳児では、40.34%、1.81本。これが、平成27年には、1歳6か月児で1.08%、0.03本。3歳児では9.29%、0.31本となり、この27年間で、1歳6か月児は乳歯むし歯に罹る児、むし歯の本数ともに約1/4に減少し、3歳児では、むし歯に罹る児が約1/4に、むし歯の本数が 約1/6に減少し、望ましい状態に近づきつつあります。
(名古屋市健康福祉年報(事業編)平成元年度、平成27年度資料)

それでは、100歳へ…

老夫婦がウォーキングをしているイラスト

「80歳を超えても20本以上の歯を保持しよう」との8020キャンペーンや「1口30回よく噛みましょう」との噛ミング30(カミングサンマル)キャンペーンを耳にしたことがあるでしょう。

健康なごやプラン21(第2次)では、名古屋市の80歳高齢者で、20本以上の歯を保持している方の割合を平成25年の58.3%から平成34年の目標として68%と10ポイント増加を目指しています。歯があることで、するめ、たくあん、酢だこなど硬いものまで何でもが噛める状態にあるとされ、生活に根付く噛ミング30(カミングサンマル)が、高齢期にもつながります。

一見、噛めることが当たり前のように思えるのですが、噛めない高齢者が少なからずみえます。このような高齢者では、十分な栄養が取れず、特に、体重の減少、筋力低下、疲労感、歩行速度、身体活動の5項目が衰えるリスクが高まり、このような状態をフレイルと呼んでいます。

この背景に食の安定性が深くかかわっていることが研究により明らかとなり、このかかわりを「食力(しょくりき)」として位置づけ、「口腔機能低下予防の新たな概念」として「オーラルフレイル」が提案されています。

この食力により、口腔の清潔、歯周病・むし歯の発生予防と抑制をとおして、抜ける歯に歯止めをかけ、滑舌(舌を滑らかに動かす)、唾液分泌を促すなど、噛める状態を確保することになります。ここで根底になるのは、魂として3歳までに習得した、口腔の清潔、むし歯予防、食の選択、味わい、噛むことがあります。

これら、歯科版三つ子の魂に加えて、6歳臼歯、12歳臼歯のむし歯予防をしつけ、人生の豊かな高齢期を支える魂として、生涯、活かせること、生きていることを知りましょう。高齢者支援は、子育て支援にフィードバックされ、循環し、実りが大きくなる。これが、21世紀を貫く健康なごやプラン21の本質ではないでしょうか。

1)健康なごやプラン21(第2次)の第3目標。
以下、目標1はむし歯と歯周病を減らす。目標2は、80歳で20本以上自分の歯を有する人の割合を増やす。

2017年1月(歯科衛生士からひとこと)

ママのおなかの中で歯は作られる♡

お子さんの歯が、ママのおなかの中で作られていることをご存知ですか?
乳歯だけでなく一生使う永久歯も、おなかの中にいる時に作られています。

妊婦さんと乳歯と永久歯のイラスト

1.歯が作られる時期
乳歯と永久歯が作られる時期を載せた表
  歯胚(歯の芽) 石灰化(硬くなる) 生えはじめる
乳歯(下の前歯) 妊娠7週ごろ 妊娠18週ごろ 生後6か月
永久歯(6歳臼歯) 妊娠16週ごろ 出生時 6歳
2.歯を作っている主な栄養素と食材
歯を作っている主な栄養素と食材を載せた表
糖質 米、小麦、いも類など 歯の基質(土台)をつくります
タンパク質 魚、卵、肉、大豆製品など 歯の基質(土台)をつくります
カルシウム・リン 牛乳、チーズ、しらす干しなど 歯の石灰化を促します
ビタミンA レバー、ほうれん草、にんじんなど エナメル質形成を促します
ビタミンC ブロッコリー、みかん、さつまいもなど 象牙質形成を促します
ビタミンD きくらげ、干ししいたけ、卵黄など カルシウムやリンの
吸収・代謝を促します

歯を丈夫にするためには、歯があごの中で作られる時期からの栄養が大切です。カルシウムだけでなくタンパク質やビタミンなどを多く含む食品をバランスよく摂るようにしましょう。

エナメル質と象牙質を表したイラスト

2016年12月(歯科衛生士からひとこと)

必死で捜した歯

口を開けて困っている女子中学生と、前歯を指して困っている男子中学生のイラスト

中1の息子と三女を送り出して、さてと思ったら、鏡の前に息子がいる。「どうしたの、遅刻しちゃうよ」と言いかけて言葉をのみ込んだ。振り向いた息子は血まみれの口から血を滴らせ、「もう元に戻らん」と泣き出した。

「歯はどこにあるの」と叫びそうになった。登校途中、自転車で転んだという息子の口には、上の前歯がなかった。息子をせっついて、血の跡の残る凍ったアスファルトにほおをすりつけるようにして探したが、見つからない。

歯、息子の歯。毎晩仕上げ磨きし、毎年の検診で歯垢(しこう)を除去し、虫歯のない、きれいに並んだ、これだけは本当に自慢の歯。早く見つけなくっちゃ、車にひかれてこなごなになっちゃう。必死の私に「母さん、あれ」と息子が指さした。側溝の水の中で、白い4センチもある三日月形が輝いている。じゃぶじゃぶ入って拾いに行った。

切るのか縫うのかと思った修復手術は、抜け落ちた歯と穴をきれいにして差しこみ、隣の歯と接着剤でとめるものだった。歯がつくかどうかは本人の回復力次第という。がんばれ、息子。毎日好きなだけ食べて、眠って、野球をしているのは、こんな時のためでしょう。

夜、4人の子どもに言った。「歯でも落としたら必ず拾いなさい。泣いて見失うようなまねをするんじゃない。」

(随分前の朝日新聞“ひととき”にあった投稿文から)

2016年11月(歯科衛生士からひとこと)

歯磨き剤の成分にも注目を!

歯磨き剤は、法律により「化粧品」と「医薬部外品」に分けられます。研磨剤、湿潤剤、発泡剤などの基本成分だけの物は、「化粧品」に。基本成分に薬用成分が加えられていると、「医薬部外品」として販売されます。日本で販売される約90%は、「医薬部外品」です。ふだん何気なく使っている歯磨き剤も、配合されている薬用成分によって効果が違ってきます。購入時の参考に、薬用成分について紹介します。

主な薬用成分と作用

【フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム】
歯の質を強化し、再石灰化を促進させ、むし歯を予防します。
【塩酸クロルヘキシジン、トリクロサン、塩化セチルピリジニウムなど】
むし歯菌、歯周病菌などの殺菌作用があります。
【グリチルリチン酸類、ヒノキチオールなど】
歯ぐきの炎症を抑えます。
【トラネキサム酸】
歯周病などによる歯ぐきからの出血を抑制します。
【乳酸アルミニウム、硝酸カリウム】
知覚過敏を抑えます。
【デキストラナーゼ】
プラーク(歯垢)を分解し、プラークが再び沈着するのを防ぎます。
【ポリリン酸ナトリウム】
歯石が沈着するのを防ぎます。

目的に合った歯磨き剤を選び、むし歯や歯周病を予防しましょう!

歯磨き剤、フロス、歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルリンスと家族の笑顔とバイ菌が泣いているイラスト

2016年10月(歯科衛生士からひとこと)

「いい(11)歯(8)」はどんな歯?

11月8日は「いい(11)歯(8)」の日です。では、「いい歯」とはどんな歯のことでしょうか?

むし歯のない歯、歯並びのいい歯、真っ白な歯…いろいろとあると思いますが、「よく噛める歯」であることも、子どもから高齢者までとても大切なポイントとなってきます。

皆さんは普段のお食事で「よく噛むこと」を意識していますか?実は、卑弥呼のいた弥生時代の人びとは1食あたり3990回噛んでいたそうですが、現代人は620回と、その回数は6分の1ほどに減ってしまいました。

よく噛むことにはたくさんの効用があり、その効用をうたった「卑弥呼の歯がいーぜ」という標語も作られています。

「ひ」が○で囲まれている文字
肥満予防
「み」が○で囲まれている文字
味覚の発達
「こ」が○で囲まれている文字
言葉の発音がはっきり
「の」が○で囲まれている文字
脳の発達
「は」が○で囲まれている文字
歯の病気予防
「が」が○で囲まれている文字
がん予防
「いー」が○で囲まれている文字
胃腸の働きを促進
「ぜ」が○で囲まれている文字
全身の体力向上と全力投球

よく噛むと身体に良いことがいっぱい!健康においしく楽しくお食事を続けていくために、よく噛んで食べることを意識していきましょう。

男の子がフォークを持って、「よくかんでたべよう」と書かれているイラスト

2016年9月(歯科衛生士からひとこと)

子どもがストローを使えるようになるまで

飲み物をあげる際にお子さんには「こぼしてほしくない」「早くストローで飲めるようになってほしい」とお思いの方も多いかと思います。

しかし、急にストローが使えるわけではありません。お口の発達には順番があります。ストローが使用できるようになるまでを紹介します。

  1. 離乳中期(口の角が左右対称に引かれるよう)になったら、ティースプーンなどの浅いスプーンを使って歯が閉じた状態で、すすり飲みの練習をしましょう。
    ※すすり飲みを練習することでストローで吸う動きも覚えていきます。
  2. 10か月以降くらいからコップやレンゲからの連続飲みの練習をしましょう。
    下唇の上にコップやレンゲのふちを置き、上唇に水面が当たるところで止め、飲ませましょう。
    ※口が大きく開くことがあるため、下顎を下から人差し指で支えて口が開きすぎないように補助しましょう。

お家にいる際はコップを使い、お口の機能を育て、お出かけの際にはストローを使うなど無理なく続けられると良いでしょう。

シロクマのイラスト

2016年8月(歯科衛生士からひとこと)

食べよう!朝ごはん♪

名古屋市では食育基本法に基づき、市民の皆様の生涯健康で心豊かな生活の実現をめざし、食育を総合的・計画的に推進するために、「名古屋市食育推進計画(第3次)」を策定しました。計画期間は、平成28年度から平成32年度までの5年間です。

また、この機会に共通テーマとして朝食摂取を推進するための「食べよう!朝ごはん♪」のロゴマークを作成しました。

普段、何気なく食べている朝食にも、いろいろな効果があります。寝ている間に下がっていた体温が上がり、身体の働きが活発になります。脳は眠っている間もブドウ糖(ごはん、パンなどの炭水化物が体内で分解されたもの)を消費しているため、こうした栄養素を補給することで午前中の集中力を養う効果があり、気持ちが落ち着きます。また、一日に必要な栄養量のバランスが良くなり、まとめ食いや間食を防ぐため肥満予防になります。

朝食を摂る習慣が今無い方には、せめて菓子パン程度の簡単な食事でも食べていただきたいと思いますが、食育として理想的な朝食は、静かなリラックスできる空間で、家族や友人、仲間と五感で美味しいものをよく噛んで味わい、合間の会話を楽しみながら過ごすことです。食事中にスマホをいじったり、テレビに夢中になったりせず、短時間であっても環境を整えて毎日朝食を摂りましょう。そして、食後の歯みがきも忘れずに。時間をかけて綺麗にみがいてください。

「食べよう!朝ごはん♪」のロゴマーク

2016年7月(歯科衛生士からひとこと)

お口の臭い、悩んでいませんか?

おしゃべりをしているときに、ご自分の口臭が気になるときはありませんか?

口臭には主に起床直後、空腹時、緊張時などに起こる生理的口臭と、飲食物や嗜好品による口臭、そして病気が原因である病的口臭の3種類があります。

病的口臭は、鼻や喉の病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気、糖尿病などが原因で起こる場合もありますが、病的口臭の9割以上は口の中に原因があります。歯周病、むし歯、プラーク、歯石、舌苔(ぜったい)、唾液の減少、入れ歯の清掃不良などが原因で起こります。

口臭予防は口の中を清潔にすることが一番です。自分で毎日口の中をきれいにするセルフケアと、歯科医師、歯科衛生士が定期的に清掃を行うプロフェッショナルケアが大切です。

1 セルフケア

  • 歯ブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシなどを使ってきれいにしましょう。入れ歯を使用している人は、入れ歯も清掃しましょう。
  • 舌苔は口臭の大きな原因となります。舌苔は舌の表面に付いた白色や黄色、黒色をした苔のようなもので、死んだ細菌やはがれた粘膜などからできています。舌苔は水でぬらした舌ブラシか柔らかめの歯ブラシ、またはガーゼを使い、舌をできるだけ前に出して、奥から手前へ優しく動かして除去します。
    舌の粘膜は柔らかく、1日に何度もゴシゴシこすると表面に傷を付けてしまうので注意してください。
  • 唾液の出が悪く、口が渇くときは、唇や頬の裏側と歯ぐきの間に舌を入れ、歯ぐきをなぞるように舌を大きく動かす舌体操がお薦めです。

2 プロフェッショナルケア

  • 定期的に歯科検診を受けましょう。
  • PMTC(専門的歯面清掃)や歯石除去をしてもらいましょう。

お猿さんがお口を隠しているイラスト

2016年6月(歯科衛生士からひとこと)

むし歯でなくても、歯は溶ける「酸触歯(さんしょくし)」

歯は、エナメル質、象牙質、セメント質、歯髄で構成されています。【図1】
なかでもエナメル質は、生体の中で一番硬い組織なのですが、pH*5.4以下で溶けてしまいます。酸で侵蝕してしまった歯を酸蝕歯といいます。

歯の断面図でエナメル質、象牙質、セメント質、歯髄で構成されている図

暑くなりのどの渇きが気になる季節になりました。市販されている飲み物にはpH5.4以下のものが、多くあります。コンビニエンスストアや自動販売機で、手軽に購入できますが、酸で、歯を溶かさないためにも、飲み物の種類は、 選びましょう。【図2】

飲み物で酸蝕歯になるリスクを表した図

健康な時や普段は、お茶・お水を飲みましょう。激しいスポーツを行ったとき、高熱が出たとき、胃腸風邪をひいてしまった時などは、イオン飲料等と使い分けてみてはいかがでしょうか?

また、飲み方も、大切になります。食事や間食、酸性の飲み物を飲むたびに、お口のpHは酸性になります。だ液の力で、30分から60分かけて中性の状態に戻りますが、飲食回数が多くなると、中性の状態に戻る時間が少なくなり、歯(エナメル質)へのダメージは、大きくなります。

この夏、飲み物で、歯が溶けるか溶けないかは、あなた次第です。

pH*(ピーエイチ):物質の酸性、アルカリ性の度合いを示すための指標。
pH=7が中性。7より小さくなれば、酸性。7より大きくなれば、アルカリ性。

2016年5月(歯科衛生士からひとこと)

キシリトール

皆さん、「キシリトール」はご存知ですか?!

最近は、各メーカーから様々な種類のキシリトールを使用したガムなどが販売されているので、耳にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

キシリトールは、シラカバなどの樹木から取れる成分を原料とする、天然素材の甘味料。砂糖と全く同じ甘さなのに、カロリーは砂糖の約75%と控えめ。そして、その最大の特徴は、「むし歯菌をコントロールできる甘味料」ということです。

エサである糖分が「キシリトール」だと、むし歯菌は「キシリトール」を食べても、それが糖分ではないため、酸を作り出すことができません。それどころか、生きていくエネルギー源を取ることができなくなるため、菌自体が弱り、減っていくのです。

つまり、ガムを噛むことによって、むし歯菌を減らすことができる。美味しくてローカロリー。そして、むし歯予防までできる。それがキシリトールなのです。

-歯の健康のため、日常にキシリトールを取り入れてみてはどうですか?-

効果的なキシリトールの取り方
まずは食後に毎日食べましょう。(1日3回3粒)これが基本です。
キシリトールは、たくさん食べるとお腹がゆるくなる人もいるため、まずは食後に3回。それでも大丈夫なら、1日5回程度が望ましいでしょう。
製品の選び方
一番の理想は、100%キシリトール含有のもの。しかし、これは歯科医院などの医療機関でないと購入できません。これでは、なかなかお手軽とは言い難いですね。そこで、スーパーなどで市販されているキシリトール製品から選ぶときは、できるだけ含有量の多いもの、できれば50%以上のものを選ぶようにしてください。含有量は、商品のラベルに『甘味料として○%キシリトール使用』と書いてあればすぐにわかりますが、もし書いてなかった場合、次の算出方法を参考にしてください。

キシリトールg÷炭水化物(もしくは糖質)g×100=キシリトール含有量%

この計算式を覚えて、ぜひ今お持ちのキシリトール製品の含有量を調べてみてください。

キシリトールガムのイラスト

2016年4月(歯科衛生士からひとこと)

歯の外傷について

歯の外傷は、1から2歳の乳幼児や7から8歳の学童児に多く見られるものです。受傷した際の対応のポイントについて簡単にまとめました。

◎全身状態のチェック
お口の周りだけではなく、頭や、他の体の部位等に受傷がないかを確認します。
◎受傷状況の正確な把握
いつ、どこで、どのように受傷したかを把握しておくことは、医療機関に受診する際に大切な情報となります。また、歯が折れたり、抜けてしまった場合はそれらがどこにあるか、確認をしておくことも大切です。
◎出血があれば止血
口腔内からの出血の場合は、軽くうがいをさせるか、濡らしたガーゼにて血液を拭い出血部位を確認します。確認後、清潔なガーゼにて圧迫止血を行います。口びるは、汚れが付いていれば水で洗い、出血があればガーゼにて止血をします。

◎頭痛や吐き気、めまい、末端のけいれん、嘔吐などがみられる場合は、子どもの意識状態や反応を確認して、歯科受診の前に医科を受診する

つづいて外傷を予防するためのポイントです

  • 健全な生活を心がけ健康上の問題を解決する
  • 安全な環境を整える
  • 応急処置法、緊急時の対応を学んでおく
  • スポーツ用防具やマウスガードの使用も考える

難しいとは思いますが、外傷を起こさないために予防することと、外傷が起きたときには冷静に対処することが大切です。

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